Ankur Jain(アンカー・ジェイン)氏率いるスタートアップスタジオ「Kairos(カイロス)」は、新ブランドのBilt Rewards(ビルト・リワーズ)を米国時間6月22日に立ち上げた。Biltは、賃借人が家賃を払うたびに報酬をもらえるプログラムだ。
この会社を支援しているKairosは、他にもRhino(ライノ)、Alloy(アロイ)、Little Spoon(リトル・スプーン)などのブランドを管理しているスタートアップスタジオだ。
Biltは大きく2つの部分からなる。報酬ポイントプラットフォームとMastercard(マスターカード)と提携したクレジットカードだ。
報酬プログラムでは、不動産所有者やBlackstone Group(ブラックストーン・グループ)やThe Related Companies(リレーテッド・カンパニー)、Equity Residential(イクイティー・レジデンシャル)といった資産管理会社と提携している。対象となる物件を借りている人は、家賃を支払うたびにポイントが加算される、契約更新や新規契約などのときにはさらにボーナスを得られる。
共同ブランドのクレジットカードであるBilt Mastercardは、対象物件の借り手だけでなく賃借人なら誰でもこのカードで家賃を払うことができる。賃借人として未だに小切手の郵送を強いられている私自身にとっても、これはうれしいサービスだ。
Blit Mastercardの利用者は、家賃支払いでポイントが2倍になり、それ以外のカード利用では1ドル(約110円)につき1ポイント貯めることができる。
貯めたポイントは、カード利用によるものも提携パートナーの家賃支払いによるものも、航空会社やホテル、その他グループ・フィットネス・クラスなどの特典に利用することができる。しかし、ポイントの利用方法で最も大きいのは、ローンの支払いだろう。
Biltは規制当局やFannie Mae(ファニー・メイ、連邦住宅抵当公庫)、住宅都市開発省らと話し合い、報酬ポイントをローン支払いに使用する承認を取った。その結果、報酬ポイントを住宅ローンの頭金に使えるだけでなく、Bilt Mastercardの利用者は信用スコアと報酬ポイントを同時に得ることで、ローンの利率を下げることができる。
収益については、Biltクレジットカードを利用した購入の取引手数料をMastercardと分配する。さらに同社は、賃借人に配布したポイント分を物件管理者から受け取ることでも収入を得る。
「3年前だったら、不動産所有者と組んで統合報酬プログラムを作ることなど想像もできなかったでしょう」。とジェイン氏はいう。「もし私がクレジットカードや家賃の手数料で決済ネットワークと提携することを考えたなら、ほとんどの人が不可能だと言ったでしょう。米国政府から規制の承認を得ることは、越えなくてはならない膨大な障壁でした。航空会社やホテルとの提携も膨大な作業でした。3年かかったのはそのためです。これは私たちにとって史上最も困難なプロジェクトでした」。
関連記事
・みんなの銀行とピクシブが連携、「ピクシブ支店」(仮称)独自銀行サービスでクリエイターの創作活動を支援
・英フィンテックRevolutの2020年売上高は前年比57%増の約398億円
・クロスボーダー送金のWiseがロンドン証券取引所に直接上場へ
カテゴリー:フィンテック
タグ:Bilt Rewards、ポイント、クレジットカード
画像クレジット:Kairos
[原文へ]
(文:Jordan Crook、翻訳:Nob Takahashi / facebook )