小売業者のオンライン広告費を最適化するスタートアップであるTeikametrics(テイカメトリクス)は、1500万ドル(約16億7000万円)の追加投資を獲得した。同社は、Amazonで物品を販売する業者がより効率的に広告が出せるように支援することを目的に設立された。最近では同様のサービスをWalmart(ウォルマート)向けにも開始している。
CEOのAlasdair McLean-Foreman(アラスディア・マクリーン・フォアマン)氏は、どちらのプラットフォームでも、TeikametricsのFlywheel(フライホイール)プラットフォームで、商取引、在庫、価格設定といった小売りデータをもとに広告購入プロセスを改善できると話している。
フォアマン氏は、Amazonが「驚くほど閉じたループ」を作ったことを称賛している。そこでは「無数の顧客が、長期にわたって無数のサプライヤーと出会うことができる」という。その他のプラットフォームの中でも、ウォルマートのものは「価値的にもっとも近い」と同氏。
Teikametricsを利用すれば、小売業者(サードパーティーの販売業者も、Amazonとウォルマートがそれぞれのプラットフォームで販売する製品を売り込むブランドも含む)は、両方のマーケットプレイスでの広告キャンペーンを最適化でき、ゆくゆくは他のプラットフォームでも可能になると同氏は付け加えた。
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フォアマン氏によれば、同社は今年の後半、広告を超える製品を立ち上げるという。彼はTeikametricsで、同じデータを使って小売り「オペレーティングシステム」を開発しようと思い描いている。それは、在庫や価格設定など、小売業のあらゆる要素を最適化するものだ。
「とても複雑な問題、つまり単に広告を出すことよりも、ずっと動的で、ずっと複雑なものに対する、非常にシンプルな解決策を作るということです」と同氏は語る。
ボストンに本社を置くTeikametricsは、2018年にシリーズA投資で1000万ドル(約11億円)を調達している。新しいラウンドは、Jump Capital主導のもとに、Granite Point Capital、MITの計量経済学教授で科学顧問も務めるJerry Hausman(ジェリー・ハウスマン)氏、FacebookとUberで成長責任者を務めていたEd Baker(エド・ベイカー)氏が参加している。
Teikametricsは、現在、Clarks、Razer、Power Practical、Zipline Ski、マーク・キューバン氏のBrandsなど、3000を超えるブランドと契約している。また最近、Amazonの広告担当重役であったSrini Guddanti(シリニ・グダンティ)氏を最高製品責任者として迎え入れている。
広大な小売と広告の世界を見渡してフォアマン氏は「AIはほとんどバズワードです」と認めながら、しかし「私たちは現にAI第一でやっています。製品は自動化そのものです。インテリジェントな意志決定です」と主張した。
さらに彼は「広告は巨大なレバーを引くようなもので、それはまさにAIが大得意とする仕事です。しかし、その同じAIコンポーネントやソリューションを同時にさらに大きな問題に適用するのを、私はものすごく楽しみにしています」と話した。
画像クレジット:Teikametrics
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(翻訳:金井哲夫)