小規模ビジネス向け配送サービスのWeengsがLocalGlobeなどから270万ドルを調達

screen-shot-2016-10-22-at-16-44-48

小規模の小売店やオンラインショップ向けの配送サービスを展開するイギリスのWeengsが220万イギリスポンド(米ドル換算で約270万ドル)を調達した。同社のサービスを利用すれば手間のかかる商品の配送を一手に引き受けてくれる。ロンドンでサービスを展開する同社は、今回調達した資金を利用して他のヨーロッパ諸国への事業拡大を目指す。

今回のシードラウンドにはRobin KlevinとSaul Klevinが率いるLocalGlobe、Seedcamp、ドイツのCherry Ventureなどが参加している。その他にも、匿名のエンジェル投資家が数名と、ギリシャを拠点とするVCであるVentureFriendsも本ラウンドに参加した。2015年7月創業のWeengsは、これまでにエンジェル投資家などから1万7500イギリスポンド(約2万1300ドル)を調達している。

Eコマースの商品配送という点にフォーカスし、それにかかる手間と時間をできるだけ省くことを目指すWeengsは、スマートフォン・アプリを通じてパッケージングおよび配送サービスを提供している。アプリの利用はとてもシンプルで、商品の写真を撮り、配送先の住所を入力し、最後にピックアップを頼むだけでいい。

すると、1時間も経たないうちにWeengsの「エンジェル」たちが商品を受け取りにやってくる。「エンジェル投資家」と間違えそうな名前だが、投資家である彼らがこのように自分の手を汚すことなどないだろう。商品を受け取ったエンジェルは、Weengsが所有する商品管理用の倉庫にその商品を届け、そこで専門のスタッフが商品を梱包する。梱包に使われるのはカスタマイズされたパッケージだ。

パッケージ済みの商品は最終的にWeengsと提携するRoyal Mail、DHL、DPDなどの配送業者によって配送される。Weengsの利用料は1回のピックアップにつき5ポンド(約6ドル)で、それに配送料が加わる。

Weengsの共同創業者であるGreg Zontanosは、「小規模の小売店やオンラインショップが頭を抱える問題は商品のパッケージングと配送です。彼らには大企業のようにハイクオリティな配送サービスを展開できるだけのリソースや経験がなく、そのせいで商品の到着が遅れたり、梱包が不十分で商品が傷ついてしまったりといった問題が発生してしまいます。だからこそ、私たちは大規模な配送サービスを手ごろな料金で提供しているのです」と話す。

「まだ梱包されていない状態の商品をユーザーの店舗や自宅まで取りに行き、専門のスタッフが自社製のパッケージで商品を梱包し、信頼のおける配送業者が格安な料金で商品を配送します。これにより、当日配達が可能になるだけでなく、丁寧に梱包された商品を傷ひとつない状態で顧客に届けることができます。そしてユーザーは時間とお金を節約できるのです。また、Weengsは国際配送にも対応しており、カスタマイズされたパッケージングと配送サービスを低いコストで提供し、面倒な税関手続きを代行することで、ユーザーはより大きな市場にもアプローチができるようになるのです」。

Weengsの収益モデルは優れたものになる可能性がある。同社の収益となるのは配送する荷物の数に大きく左右される利用料金と配送料だけではない。大量発注によって価格が下がった配送コストと、実際にユーザーから受け取る配送料金との差額もWeengsが得るマージンとなるのだ。もちろん、このビジネスモデルを機能させるためには事業規模を拡大していくことが最も重要となるだろう。

そのため、Ebayで何度も商品を販売する人や、Trouvaに掲載されているようなブティック洋品店などがWeengsの典型的なユーザーだ。「このようなショップを運営しているのは1人か2人の個人であり、彼らが8時間以内などというように制限された時間のなかで、商品を梱包するパッケージを探したり、実際に梱包したり、パッケージに貼るラベルを購入したり、郵便局に並んだり、在庫を調整したりといった作業をこなすのは難しいのです。Weengsを使えば、彼に必要なのは写真を撮り、配送先の住所を入力し、ピックアップを要請するのに必要な時間だけなのです」とZontanosは語る。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。