就職相談の代わりに学生がOBの依頼に応えるコミュニティーサービス「Matcher」が資金調達

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就職活動を終えた先輩やOB・OGに会って話を聞くことは、学生にとって志望業界を絞り込んだり、就職活動のアドバイスを聞いたりする貴重な機会となるだろう。「Matcher」はOB・OGが学生に会う敷居を低くし、学生とOBをつなぐためのマッチングサービスだ。Matcherは、本日コロプラネクストより資金調達を実施したことを発表した。金額は非公開だ。また資金調達と合わせ、企業の人事向けに学生のスカウト機能も同時にリリースしている。

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Matcherは単に学生とOB・OGをつなげるのではなく、OB側から学生に何かしらの依頼ができるのが特徴だ。OB・OGは、「就活相談にのるので、〇〇してくれませんか?」といったかたちで就活相談のプランを作成する。サービスを見てみると、就職相談にのるのでテニスをしよう、自社製品の企画を一緒に考えてほしいといった様々なプランが掲載されている。学生は気になったプランを申し込み、OB・OGが承認するとマッチングが成立する。OB訪問を実施したら、その後互いのレビューを残すことができる。

Matcherのファウンダーである西川晃平氏は、自分の就職活動の経験をきっかけにMatcherを立ち上げたと話す。大学のキャリアセンターに行ってOB訪問をしようとする場合、紙の書類から会いたい社会人を探さなければならない。書類にはOB・OGの卒業学部や勤め先といった簡単なプロフィールしか掲載しておらず、話を聞きたい人を探すのが難しいと西川氏は言う。また、2017年卒から就職活動の広報解禁の時期がこれまでの12月から翌年3月に変更され、学生が就職活動できる時間は短くなっている。Matcherでは学生が学年や大学を問わず、希望業界や職種の社会人を見つけ、短い時間の中でも有意義な就職活動ができるようにしたいと西川氏は説明する。

ただこうしたOB訪問サービスは学生にとってのメリットは大きいが、OB側のメリットが少ない。Matcherを通じてOB側が学生に何か依頼ができる形にすることで、OB・OGが学生に会うハードルを下げることを考えたと西川氏は話す。西川氏はMatcherは単にOB訪問をするためのツールだけではなく、新しい出会いを提供するコミュニティーサービスと位置付けていると話す。今後プロフィールを元にオススメのユーザーを表示するなどマッチングを高める施策を進めていくという。

Matcherは2015年11月に創業し、サービスは2016年2月にローンチした。現在、登録している社会人は2000名以上で、サービス開始10ヶ月でマッチング数は2万件を達成したという。

今回Mathcerは新たに企業の人事向けに学生のスカウト機能を追加した。これは、企業が学生を検索して、月に30通までメッセージが送れる機能だ。法人はメッセージ機能を使って自社の採用イベントなどに学生を招待することができる。スカウトした学生の選考管理も可能だ。

現在、中途採用ではダイレクトリクルーティングやリファラル採用が広まっているが、新卒採用にもその流れが広がるだろうと西川氏は話す。今後もそれに対応できるように機能を充実させていく考えだという。

Matcherの競合サービスにはOB訪問プラットフォーム「VISTIS OB」やビズリーチが提供する「ビズリーチ・キャンパス」などがあり、どこも企業が情報発信をしたり、採用イベントの告知をしたりと学生と接点を持つための機能を提供している。こうしたOB訪問サービスは登録人数やマッチング率を高めることの他に、いかに企業にとって新卒採用に役立つツールや機能を提供できるかが他社サービスとの差別化における重要な要素となりそうだ。いずれにしろ新卒採用のあり方は着実に変わりつつあるようだ。

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TechCrunch Japan

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