履歴書では人物が分からない…HigherMeは時給制の店員などの適材を見つけるオンラインサービス

その仕事にぴったりの人を雇いたいと思っているとき、履歴書はあまり役に立たない。

どんな仕事でもそうだと思うが、今Y Combinatorという孵化器の中で温められているHigherMeの協同ファウンダRob Hunterによると、時給制の店員などがとくにそうだと言える。履歴書に書かれている職歴よりも、どこに住んでて、どの時間働けて、人柄はどうか、という点が何より重要だ。

それは、Hunter自身が経験から学んだことだ。彼はアイスクリーム店Marble Slab Creameryのフランチャイズを数店抱えていたが、思い出すのは最初のころの店員Kendraのことだ。その履歴書は、どの高校生でもそうだが、あまりぱっとしなかった。サッカー部にいるとか、ベビーシッターのバイトをしたとかは、彼女のアイスクリームを盛るスキルについて何も語ってくれない。履歴書は誤字だらけだったが、それもアイスクリームを売ることとは無関係だ。

Hunterは言う、“履歴書を見ただけだったら、彼女を雇わなかっただろう”。でも実際に会ってみると彼女は、“意外にもとても頭の良い聡明な若者だった”。しかも店のすぐ近くに家があったので、彼が必要とするシフトに十分対応できた。

Hunterの思い出によると、Kendraを雇ったことは店の経営にとって満塁ホームランだった。彼女は大学に入るまで数年間店にいて、“私にたくさん儲けさせてくれた”。そこで彼の協同ファウンダJef ChedevilleとEvan Lodgeと共に、雇用者が世界中のKendraを見つけることのできるサービス、HigherMeを立ち上げた。

このサービスにアクセスした求職者は、雇用者がいちばん関心を持っている情報を提供する。それが過去の職歴のこともあるが、しかしHigherMeは住所や働ける時間帯も尋ねるし、また雇用者が聞きたいと思っている質問も尋ねる。求職者はビデオを添付してもよい。そのほうが、文章よりも自分の人柄がよく伝わるかもしれない。

雇用者は履歴書の山をかき分ける代わりに、求職者が現れるたびにメールをもらう。そこには求職者の情報のほかに、100点満点による適性評価もある。また雇用者には、すべての求職者を一望するためのダッシュボードが与えられる。そこで、彼らと対話しながら面接をスケジュールできる。

今年の初めにローンチしたばかりだから、Hunterによるとまずお店や企業に訴求する。それから、求職者が地理的なターゲット広告から来るようにする。そういう、地理分けしたターゲット広告はいろんな地域を対象にできるから、求人店があちこちに複数あってもよい。

求職者はサービスを無料で利用できる。求人側は、一地域一か月50ドルから数百ドルまで。スタートアップが時給制の労働者を雇うために利用してもよいが、そういう、物理店のない求人の場合は、もっとよく考えた課金にしないといけない、とHunterは言っている。

今のYCには、HigherMe以外にも、雇用関連のスタートアップがいる。たとえば今日(米国時間3/20)は、技術系の人材を対象とするSmartHiresも記事にした

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。