最近では、個人の心拍モニター分野でApple Watchやスマホのアプリに敵うものはない。しかし、心拍リズムをモニターするための電子聴診器で知られるスタートアップであるEkoはさらなる研究と開発で、この電子聴診器を心疾患に取り組むリーダー的存在の臨床用デバイスにしたいと考えている。
この目標を達成するために、同社はこのほどArtis Ventures主導のシリーズBで2000万ドル(約22億円)を調達した。このラウンドの新規、そして既存投資家には、DigiTx Partners、NTT Venture Capital (NTTVC)、3M Ventures、Mayo Clinic、Seraph Group、そしてXTX Venturesが含まれる。
さらにEkoは、Ekoデバイスを使ってデータポイントをつなげ、患者のスクリーニングをするために、Mayo Clinic(メイヨー・クリニック)やNorthwestern Medicine(ノースウェスタン・メディシン)、Sutter Health(サターヘルス)といった米国の有名な機関と提携した。
過去10年間、テクノロジーが心臓のケアに大きく貢献してきたことは疑う余地はない。今日では我々は多くのデバイスで不整脈のようなものをものの数秒で検知できる。しかし、そのケアの方法を選ぶのは重要だ。結論に飛びつく前に、経験を積んだ専門家から正しい情報を得る必要がある。
電子聴診器では心拍を測定する以上のことができる、とEkoの共同創業者でCOOのJason Bellet(ジェイソン・ベレ)氏はTechCrunchに語った。「Ekoは心房細動をチェックできるが、我々は構造的な心疾患や心不全の発見にもフォーカスしている。これはAppleが手がけていないことだ」と彼は話した。「Ekoは心音とEKG(心電図)の両方を同時にとらえ、医師に患者の全身の健康状態についてや、より良い診断をくだすために必要な情報を提供する」。
今日マーケットには多くの心拍モニターデバイスがありEkoは競争に直面しているが、単なる心拍測定アプリ以上のものを求めている人の需要をとらえているようだ。アプリ以上のものとは、患者が必要とすることを特定して伝えることができる医師やスペシャリストを通した、心臓の健康状態の把握だ。
「Ekoは、我々が知っている心臓のケアを変えつつある」とArtis VenturesのパートナーであるVasudev Bailey(ヴァスデヴ・ベイリー)氏は発表文で語った。「データセットを活用する機械学習がいかに患者にポジティブな影響をもたらし、ケアの質を改善するか。Ekoは完璧な見本となる。これは、病気をスクリーニングするのに音が役立つ他の多くのケースにおいて、救命にかなり使えるかもしれないという可能性を示している」。
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(翻訳:Mizoguchi)