コインチェックのNEM流出騒動やマネックスによるコインチェックの買収を始め、2018年に入ってからも「仮想通貨」業界の話題は絶えない。直近では内部管理態勢の不備などを原因とした、事業者への行政処分も続いた。
このような状況も踏まえ金融庁では「仮想通貨交換業等に関する研究会」を設置し、仮想通貨交換業等に関する問題について制度的な対応を検討すると3月に発表。そして本日、その第1回目が都内で開催された。
本稿では公開されている説明資料のうち、日本仮想通貨交換業協会が発表した「仮想通貨取引についての現状報告」より国内の取引状況について一部紹介する。
証拠金・信用・先物取引が約2兆円から56兆へ急増
資料では国内17社における取引状況がまとめらている。内訳としてはBITOCEANとbitFlyerを除く(bitFlyerについては、預かり資産額の分布、顧客の入出金状況、スプレッドの状況のデータに関しては含まれていない)仮想通貨交換業者14社と、コインチェック、バイクリメンツ、CAMPFIREのみなし業者3社だ。
ここ4年ほどの取引状況についてはグラフをみると一目でわかるように、昨年1年間の伸びが凄まじい。実際は1年毎にかなりのペースで取引量が増大しているが、2017年度(平成29年)は現物取引が12兆円(18.39%)、証拠金・信用・先物取引は56兆円(81.61%)を超えた。
なお約56兆円の97.44%は証拠金取引が占める。これは一定額の証拠金を担保にして売買すること仕組みで、仮想通貨FXと呼ばれるものだ。なお通貨ごとにみると現時点ではビットコインが圧倒的な存在感を放っている。
取引の中心層は20代から40代
国内でアクティブに仮想通貨取引を行っているのはどの世代なのか。現物取引の場合は20代から40代が中心で、その世代が全体の約85%を占める。証拠金・信用・先物取引では20代から40代に加えて、50代の割合も高い。
預かり資産の分布をみると10万円未満が77%を占め、100万円未満の利用者まで含めると全体の95%ほどになることがわかる。
17年度の入出金は2兆円近くに
仮想通貨取引に対しては、ここ2年ほどで流入する資金が増加。特に2017年12月は単月で入金額が1兆円を超えている。2018年に入って入金額が減少、2月には出金額が入金額を上回ったが今のところ顕著な出金超とはなっていない。