YahooはCEOであるMarissa Mayerのもと、モバイル関連ビジネスの再編に余念が無いようだ。そして、そのYahooが、かなり大きな一歩を踏み出しそうだという情報が入ってきている。噂というのは、毎度聞こえてくるFoursquareを巡ってのものだ。ニューヨークに拠点をおくスタートアップで、ローカルサーチを行うFoursquareおよび、チェックインを行うためのSwarmアプリケーションを世に送り出している。Yahooによる買収が噂される「毎度」の相手ではあるのだが、今回は9億ドルという具体的な買収金額まで流れてきている。
いくつかの情報筋から話が流れてくるのだが、「買収は本決まり」というものもある。また「決定間近」というものもある。
但し、Yahoo内部からの情報で「そんな話は全く耳にしていない」というものもあったりする。アメリカの東西を結ぶ規模の大きな憶測に過ぎないのか、それともごく限られた人の間で進行している極秘の話なのかはまだよくわからない。
TechCrunchでは情報入手のために関係者にコンタクトをとっているが、Yahooのスポークスパーソンも、Foursquareの協同ファウンダー兼CEOであるDennis Crowleyもコメントすることは何もないと述べている。
先にも述べた通り、YahooがFoursquareの買収を考慮しているという噂が流れるのは初めてのことではない。またMayerは個人的にもFoursquareに興味を示し続けているのだ。Re/codeの前身であるAllThingsDが、YahooによるTumblr買収を報じたときも、記事中でMayerがGoogle時代からTumblrおよびFoursquareの動向に注目し続けていると記している。
そんな中にあって、YahooとFoursquareに関わる噂が盛り上がり続けるのも当然ともいえるわけだ。
聞こえてくる話の中には、Foursquareが他の企業と話を進めているところだというものもある。しかし状況を総合的に判断すれば、相手がYahooであるというのがありそうな話であるように思える。
Foursquareは、今日までに1億6200万ドルの資金を調達している。2014年2月の最新のラウンドでは6億ドル以上の評価額にて、Microsoftより1500万ドルの資金を得ている。この際には、MicrosoftのWindowsやモバイルサービスにおける位置情報関連コンテンツに協力するという話も結ばれている。
しかしFoursquareも外部からの資金の上にあぐらをかいていられるような状況ではない。App Annieのデータによると、昨年アプリケーションを2つに分割して以来、Foursquareアプリケーションは米国App Storeのトラベル部門でトップ25に入っている(ダウンロード数でのランク)ものの、Swarmの方は徐々にポジションを下げ、今ではソーシャルネットワーク部門で146位になってしまっているのだ。そうした状況の中、Foursquareがテックジャイアンとに身売りするのではないかという情報が数多く入ってきている。そうした情報が流れるたびに記事にしたりはしないのだが、今回は複数の情報源が確からしい話だと認めていることから、このようにお伝えしている次第だ。
Yahooの側にもFoursquareを手に入れたい事情がある。中国のAlibaba株を手放すことにより膨大な資金を得たものの、首脳陣の大幅入れ替えなどで社内は騒然とした雰囲気の中にあるらしい。またMayer治世の中、積極的な買収戦略を繰り広げてはいるものの、魅力的なサービスを生み出せずにいるとの批判の声も大きいようだ。こうした中、Yahooとしても大きな一歩を踏み出す必要があるというのが、今回の噂の背景にある。
Forusquareの位置情報APIは、他のアプリケーションを開発する85,000名もの開発者が利用している。Foursquareを手に入れることにより、Yahooは開発者やパブリッシャーとの関係を密にすることもできそうだ。関係を強化すれば、以前買収したアプリケーション分析サービスを提供するFlurryにとってプラスともなるだろう。またネットワークを広げることで、サービスを拡大し、また販売する道も開けてくることとなりそうだ。
FoursquareおよびSwarmは、Tumblrに続いてソーシャル面での大きな資産となる可能性がある。バナー広告や従来型のメディアサービスでは得られなかった利用者層を広げることにもなるのだろう。
(訳注:本記事は英語原文の抄訳となっております。興味のある方は原文記事の方をご覧ください)。
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(翻訳:Maeda, H)