技術者の求職活動にさらなる「透明性」をもたらすHackerRankの新サービス

Screenshot_20160111-135457大企業にとっても、あるいはスタートアップにとっても、ソフトウェアエンジニアの採用はとても難しい。この分野へのソリューションを提供しようと考えたのがHackerRankで、適切な人材の募集・採用活動を支援しようとしてきた。このHackerRankが、新たにHackerRank Jobsというサービスを立ち上げた。企業と求職者を直接に繋ごうとするサービスだ。

この新サービスはiOSAndroid版のアプリケーションおよびサイトで利用できるようになっている。

この新サービスも、他のHackerRankプロダクトと同様に、コーディングチャレンジを主機能とするものだ。募集広告に応募すると、企業側からチャレンジすべきコーディング課題が提示される。これを適切に解くことができれば、定められた日数以内(現在出稿している企業では3日以内としているところが多いようだ)に面接の機会が与えられることとなる。コーディングチャレンジに失敗した場合にも、その旨が伝えられることとなる。

「職に応募してからのプロセスについて、不透明感を感じる人は多いことと思います。履歴書を送付しても何の返事ももらえないこともあります。自分がどのように判断されているのかも全く見えないプロセスであることが多いのです」と、HackerRankの共同ファウンダー兼CEOであるVivek Ravisankarは言っている。

Screenshot_20160111-133755HackerRankは、この求職プロセスに透明性をもたらそうとしているわけだ。HackerRank Jobsでは、募集企業側は予定される給与についても提示している。

たとえばZenefitsはEmber.jsおよびPythonの技術をもつエンジニアに13万ドルないし16万ドルの報酬を用意している。

HackerRank Jobsでは現在UberやAtlassian、VMware、Box、あるいはモバイルゲーム開発会社などの募集広告が掲示されている。

もちろん、HackerRank Jobsで提示されたコーディングチャレンジに成功すればそのまま就職になるというわけではない。しかし、まずコーディング技術が評価されることで、職に不適切な層と比較されて(誤って)チャンスを奪われるようなことも少なくなるはずだ。履歴書上だけのエリートに職を奪われるようなことも少なくなる。

Ravisankarによると、現在のところは募集広告の掲載は無料なのだそうだ。しかしこれは近々変更の予定であるとのこと。ただし料金は固定額とするのではなく、コーディングチャレンジを突破する求職者数などに応じた形で課金することを考えているとのこと。1年から1年半のうちに、HackerRankの稼ぎ頭となることを期待しているとのことだ。

ちなみに現在はサンフランシスコのベイエリア、ニューヨーク、およびインドのバンガロールの企業を対象としてサービスを運営している。数ヶ月のうちに、他の地域も対象としていく予定であるそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

投稿者:

TechCrunch Japan

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