支払の仕組みとしては、クレジットカードが今でも最強だ。いまのところ携帯より強いし、QRコードにも僅差で勝っている。ほかの、その他大勢の支払手段に勝ち目はない。
Y Combinator出身のあるスタートアップは、指紋などの生体認証技術がクレジットカードに代わる未来の支払方法だと信じている。その名もPayTango、彼らは地元の大学と提携して、学生たちがクレジットカードではなく自分の指紋を使って素早く簡単に支払ができる方法を提供している。
4人のチームは全員、もうすぐCarnegie Mellon University(カーネギーメロン大学, CMU)を卒業する。その4名の協同ファウンダ、Brian GroudanとKelly Lau-KeeとUmang PatelとChristian Reyesはみなこの夏の卒業生、人間とコンピュータの対話や情報システムを学んでいた。
最初に作ったプロトタイプは指紋スキャナーと市販部品で作ったクレジットカードリーダーで、費用は1500ドルから1700ドルぐらいかかった。それを10週間かけてコスト削減に努め、完成品をCMUのキャンパスの3箇所に置いた。
“それはいちばん最初の製品で、とてもベーシックなものだった”、とCEOのUmang Patelが言う。“でも評判はとても良くて、学生たちはすぐに慣れた”。
ユーザの登録は簡単だ。人差し指と中指でパッドにさわる。その指紋が未登録なら、PayTangoは自動的にそのことを検出する。PayTangoは、カードと指紋を結びつけるためにカードをスワイプするようユーザに求め、次に携帯の番号を入力する。登録は短時間で終わるから、キャンパスでは100人の学生が4時間で登録を終わった。
リーダーは、商業者の既存のPOS端末とソフトウェアに接続される。“既存のメジャーなシステムを簡単に統合できる方法を開発したので、ユーザはソフトウェアの複雑な統合のことなどまったく気にする必要がない”、とPatelは言う。
しかしPOS関連の製品には、PayTangoもその例外ではなく、鶏が先か卵が先かの問題がつきまとう。中小の商業者の販売にどう対応するのか? ハードウェアやソフトウェアの使い方を社員たちにどうやって教えるのか? ここでは、スケーラビリティがたいへんな難問だ。
そこで最初に選んだのが、商業者と消費者の非常に密なネットワークだ。大学のキャンパスはその典型で、学生たちは毎日、一定の少数の店だけで昼食をとる。ジムも、やはりそのような市場だ。一定の同じ消費者たちの少数のグループが、リーダーをスワイプする。急速なスケールアップや拡散はない。
ビジネスモデルについて考えるのは、まだ尚早だ。しかしPatelによると、月額の会費制を考えている。今やっているパイロット事業がうまくいけば、次はCMUの全キャンパスへの拡大をしたい、と。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))