マイクロソフトは2012年に同社初の自社製タブレット端末「Surface RT」を発売してから、タブレットPC、クラムシェル型ノートPC、ディスプレイ一体型PC、インタラクティブホワイトボードとラインナップを拡充し、アップルと同様にOSとハードの両方を手がけるメーカーとして確固たる地位を築いている。今回紹介する「Surface Go 2」は同社の現行製品のなかで最も小型なボディーを採用し、4G LTEモデルも選べるモバイル特化型のマシンだ。
スペック的にはWi-Fi版を2モデル、LTE版を1モデル用意
Surface Go 2は以下の3つの構成が用意されている
CPU:Pentium 4425Y
メモリー:4GB
ストレージ:eMMC 64GB
通信回線:なし(Wi-Fiのみ)
価格:6万5780円
CPU:Pentium 4425Y
メモリー:8GB
ストレージ:SSD 128GB
通信回線:なし(Wi-Fiのみ)
価格:8万5580円
CPU:Core M3
メモリー:8GB
ストレージ:SSD 128GB
通信回線:LTE
価格:10万7580円
このコンシューマー向け3モデルには「Office Home and Business 2019」が付属するが、法人向けモデルは別売りとなっている。
それ以外のスペックは同一で、ディスプレイは10.5インチ(1920×1280ドット、220ppi、比率3:2、コントラスト比1500:1、10点マルチタッチ対応、ゴリラガラス3)を採用。ディスプレイ上部には500万画素カメラとWindows Hello対応顔認証カメラ、背面上部には800万画素カメラが搭載されている。
ボディーはマグネシウム合金製で、本体サイズは幅245×奥行き175×厚さ8.3mm、重さはWi-Fiモデルが544g、LTEモデルが553g。インターフェイスは、USB Type-C×1、3.5mmヘッドフォンジャック、Surface Connect接続ポート、Surfaceタイプカバーポート、microSDXCカードリーダーを搭載。通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0、LTE(対応モデルのみ)をサポートしている。
なおキーボードカバー「Surface Go Type Cover」(1万6940円)と、スタイラス「Surfaceペン」(1万2980円)はオプションとなる。Surface Go 2を購入する際にはこのふたつの周辺機器の価格も含めて検討する必要がある。
パフォーマンスに過大な期待は禁物
今回、Pentium 4425Y、8GB、SSD 128GBという構成のWi-Fi版で検証したが、パフォーマンスは決して高くはない。ベンチマークソフト「CINEBENCH R20.060」のCPUスコアは287pts、「CINEBENCH R15.0」のCPUスコアは165cb。これは最新薄形ノートPCの1コアぶんにも満たない数値だ。
ウェブブラウジングしてみるとちょっと待たされる感はあるが、我慢できないほどではない。YouTubeもサムネールの表示や、動画サイズの切り替えにやや時間がかかるものの、再生自体はスムーズだ。
バトルロイヤルゲーム「PUBG LITE」をプレイしてみたところ、画質を低めに設定すれば意外とスムーズに動作した。実際、Surface Go 2での初回プレイ時に「ドン勝」できた。つまり十分、実戦に通用するわけだ。
もちろん、RAW画像の現像や動画の書き出しなどはSurface Go 2には荷が重すぎる。とはいえ、下位CPUのPentium 4425Y搭載モデルでも、テキスト処理などの一般的な用途であればストレスなくこなしてくれるというのが率直な感想だ。
フルスピードでタイピングできるギリギリのサイズの2 in 1 PC
Surface Go 2のライバルをアップル製品から選ぶとなると、iPadやiPad Airとなる。iPadシリーズにはタブレット端末に特化したアプリが数多く存在している一方、Surface Go 2は一般的なWindowsアプリ(x86アプリ)が動作することが最大のメリット。どちらを選ぶかは、アプリ次第ということになる。
Surface Go 2は、Surfaceシリーズのなかで最も小型、軽量なタブレット端末だ。そしてLTE搭載モデルが用意されていることからもわかるとおり、モバイルに特化したマシンに仕上げられている。
小型・軽量を追求したWindows PCとしてUMPCが人気だが、ぜひ一度Surface Go 2の実機を触ってみてほしい。UMPCは超小型ガジェットとして非常に魅力的。しかし、携帯性とキーボードの操作性のバランスを考えると、Surface Go 2のほうが長く使える愛機になりうると筆者は考えている。