携帯電話の電波放射と発がんの関係が動物実験で実証されたかもしれない

【抄訳】
国立衛生研究所(National Institutes of Health, NIH)の毒物研究部門National Toxicology Programが、携帯電話の電波放射が特定の形のがんに結びついていることを見出している。それはまだ最終結論にはほど遠いもので、その複雑な研究結果はこれから他の専門家たちからの評価を必要とするが、しかし彼らの発見の一部は明らかに重要であり、一般のレベルでも議論される価値がある。

携帯電話の電波の発がん性に関する一部の研究は2016年に初めて登場し、ぼくも本誌TechCrunchで取り上げたことがあるが、今回の(草稿)はデータを完備した完全な研究報告だ。

どちらの報告でも、“ラットやマウスにおける携帯電話のRFR(radio frequency radiation, 電波放射)への露出に結びついた腫瘍の発生の一貫した増加は示されていない”、としている。しかし研究者たちは、“これまでの研究の設計では、このような陰性の結果が携帯電話のRFRに発がん性がないことを明らかに示している、と最終的に結論するのは困難である”、と感じていた。

言い換えると、発がん性云々に関する結論を出せるほどに十分な量と密度の電波放射環境での研究を、まだ誰も行っていなかった。そして今回の研究では、実験動物の、RFRへのより長期的でより強力な露出が敢行された。

マウスとラットたちの各グループは、それぞれ900MHzと1900Mhzの電波に1日9時間さらされ、その強度は体重1キログラムあたり1〜10ワットの範囲で、何段階かに変えられた。ちなみに、電子製品に対するFCCの一般的な上限が0.08W/kg、専門職に対する短時間の最大露出は20W/kgを6分以内とされているから、今回のマウスたちにとっては強烈な電波の被爆だった。

【中略】

900 MHz:
一部の証拠(some evidence)はRFRを雄のラットの心臓の悪性神経鞘腫に結びつけている。雌のラットには同じ証拠がない。限定的証拠(equivocal evidence)は露出を雌における脳の神経膠腫に結びつけている。両性ともにそのほかのさまざまなタイプの腫瘍は“携帯電話のRFRの露出と関連していたかもしれない”、その意味は、結びつきが不明確、ないし個体数が結論を導くに十分でない。露出した雄と雌において、あまり深刻でない“腫瘍ではない組織損傷”が、より高頻度だった。

1900 MHz:
限定的証拠:雄雌両方のマウスにおいて、肺、肝臓、およびその他の器官組織における発がん性。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

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TechCrunch Japan

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