政府の助成金依存はやばいと感じた匿名ネットワークのTorが、民間寄付受け入れに方向転換…そのやばい話の一部始終

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匿名の通信が提供されインターネット上で安全な活動ができるTorネットワークが、合衆国政府への財務上の依存を減らしたいとして寄付の受け入れを開始した。

The Vergeの記事によると、同団体の収入の80〜90%は政府の助成金であったが、このほど寄付募集キャンペーンをLaura Poitrasの短いプロフィールを掲げて開始した。この人物はEdward SnowdenによるNSAのリークを扱ったドキュメンタリー映画の製作にも関わった、指導的なプライバシー活動家だ。

“プライバシーを守り、ネット上の行為のすべてをブロードキャストしたくはない、と願う理由や状況はたくさんある。ネット上の重要な活動を問題なくできるために、Torのようなツールを必要とする人びとがいる。Torは言論の自由と発言の独立性を強く守る”、と彼女は言っている。

Poitrasは合衆国政府の監視者リストに載っている人物だから、TorがなければSnowdenとの通信はできなかっただろう。

このクラウドファンディングキャンペーンは、Torのブログとひとにぎりのメディア報道に載ったぐらいで、比較的静かにスタートしたが、独立のために求める寄付の額は決して小さくない、と言えるぐらいTorを取り巻く最近の環境は厳しい。

たとえばTorのブログ記事によると、FBIはカーネギーメロン大学の研究者に100万ドルを払ってTorの破り方を研究させた。同大学が発表したかなり曖昧な声明によると、Torが提起したこの主張は“不正確”であり、カーネギーメロンは“これまで行ってきた研究に関する情報を要求する”召喚令状を発行されただけだ、という。

同大学は、どこがどう不正確なのかを明言していない。しかしいずれにしても、サイバーセキュリティの観測筋たちは、大学とFBIのあいだに何らかの共謀関係があったか・なかったかぐらいは、はっきりさせよ、と迫っている。

Torの寄付受け付けのためのページはここにある

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

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TechCrunch Japan

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