文章と画像と動画だけではパンチが足りないと感じられる情報表現には、CartoDBのOdyssey.jsで対話的な地図を加えてみよう

どんなことにも、それが起きる“場所”があるはずだ。この論理をコンセプトとするオープンソースのツールOdyssey.jsは、地図を利用してデータを対話性のあるマルチメディアに変える。このツールは、プログラミングのスキルのない人でも使える。

Knight Prototype Fundから35000ドルの助成金をもらった、クラウドコンピューティングのプラットホームCartoDBの作者たちは、このオープンソースツールのベータを今日(米国時間7/8)リリースした。

CartoDBは、このツールによってストーリー展開の技法が拡大することを期待している。これまでのように、テキストと写真(〜静止画像)とビデオだけに限定されずに。

Knight Foundationのメディアイノベーション担当Chris Barrによると、この財団が作られたのは1年半前だ。財団の基金は、最新のテクノロジやイノベーションを目指す実験的プロジェクトに交付される。そのペースは1年に約1億ドルで、内3000〜4000万ドルはジャーナリズムとメディアのイノベーション事業へ行く。

Barrはこのプロトタイプファンドのトップでもあり、彼によると、助成金交付のペースを速めることによってジャーナリストやパブリッシャーたちが使う新しいツールを迅速に作っていきたい、という。

“これからの人びとは、毎日自分たちの前に現れる大量の情報やデータを、よりよく理解するためのツールやサービスをますます必要とするだろう”、と彼は語る。

CartoDBは地図作成技術を開発している。たとえば、何かのイベントやブランドについて述べているツイートを、対話性のある地図で視覚化するのだ。たとえばこの地図は、ワールドカップのブラジル/クロアチア戦のときのツイートをを表している。

Barrによると、CartoDBが考えているのは、ストーリーを語ることを地図の利用によってより豊かな体験にすることだ。そこで、テキストをHTML化するツールMarkdownJavaScriptを使い、Knight Foundationから得た資金でOdyssey.jsを作った。

CartoDBのそのツールは、CMSへの埋め込みも容易にできる。だからWordPressなどを利用しているパブリッシャーが対話的な地図を自分のサイトに加えて、ストーリーを展開するのも簡単だ。Odyssey.jsのJavaScriptライブラリは、誰もが自由に利用できる。

その目標は、メディアの大きなイノベーションだ、とBarrは言う。CartoDBの Odyssey.jsライブラリのような新しい表現ツールの登場で、情報の視覚的表現がTIV(text, image, video)という伝統的な三種の神器に縛られなくなり、あらゆるWebサイトは読者を増やし、読者の関心をより強く捉えるようになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


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TechCrunch Japan

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