iPod Classicはいまだに僕のお気に入りガジェットであり続けている。当然、テクノロジーという点では他の多くのガジェットがiPod Classicをしのいでいて、聴いている音楽を自分が所有していないという常につきまとう懸念はSpotifyの偏在性でなくなったものの、音楽狂の僕にとってiPodがやはりパーフェクトだ。
もちろん、全てのガジェットがいずれそうなるように、iPodは過去のものになった。3年くらい前、僕は結局降参してしまった。iPodがAppleのラインナップから消えてずいぶんたち、中古で買うにはお高めだった。そうして僕はストリーミングに移行し、僕のMP3に入っていたコレクションは外付けハードドライブの中に行ってしまった。
TechCrunchでは最近、Mightyの最新バージョンについて取り上げた。このデバイスをSpotifyモデルのiPodシャッフルの大ファンである同僚に渡す前に、僕はつい最近のアジアへの旅行時にわずかな時間ながらこのデバイスを使ってみた。
そして、この週にアフリカに行く前に、Palmを再度試してみることを思いついた。TechCrunchでは特にPalmを絶賛したわけではないし、他のテックコミュニティも大方その評価に賛同した。しかしこのプロダクトについて包括的に取り上げていたわけではないのは恥ずかしい。もちろん、このプロダクトでは多くのことができるけれど、スマホマーケット全体の一部分をターゲットにしている。だが、おそらくこのプロダクトには救いが隠されている。
ハードウェアのつくりは確かにしっかりしていて、概ねiPhoneの小さい版に等しい。この2台目としてのデバイスには他に何かがあるはずだ。iPodに頼っていたころのことを思い返すと、僕はいつもClassicを一つのポケットに、スマホを別のポケットに入れて家を出ていた。Palmと同じくらいスリムでタッチインターフェースのMP3プレーヤーがあったらよかったのに。
Palmは使うには実に理想的なサイズだ。チェンジポケットに滑り込ませられるほどに小さく、音楽ライブラリーを閲覧できるだけの大きなスクリーンがある。10時間超のフライトを控え、そして到着後数日はインターネットに接続できるかどうかとわからないこともあり、僕はPalmを取り出し、Spotifyからダウンロードした曲をPalmに入れた。
それが初めにしたことだ。しかしこれはPalmとは関係がないが、Spotifyの曲をオフラインで聴けるようにするのに面倒なことといったらなかった。アプリがオフラインのときにも表示される状態とはほど遠く、表示させるためにいくつものハードルを超えなければならなかった。プレイリストをスクロールする最も簡単な方法は、検索バーをもってくるために下にスワイプして、それからオフラインの曲を表示するためだけに“フィルター”をクリックすることだった。
また、Palmには同様の方法で回避しなければならないミュージックプレイヤーとしての最大の欠点がある:音量ボタンの欠如だ。この点に関しては、ユ曲がかかるまで待ち、それから音量スライダーを持ってくるために下にスワイプしなければならない。もし音楽がかかっていなければセッティングからアクセスしなければならない。全てをボタンで操作するということに否定的なAppleですら、音量ボタンは搭載している。
バッテリーもまた問題だ。もちろん、飛行機モードにすると少しはましだーとは言っても、しっかりとした長さの国際線ではもたない。しかし明らかにトレーニングジムに行く間に使うには十分で、ランニングするときにポケットにしのばせるにはうってつけのサイズだ。
いろいろ検討してみた結果、試みは価値があったどころか、トラブルに終わった。実際、テック業界のほとんどが音楽プレーヤー専用という考えを過去のものにしてしまっている。それでも僕は、ハードウェア(ヘッドフォンジャックを加えるのは遅すぎるだろうか?)とソフトウェア(安くて、契約なしの統一価格)にわずかなひねりを加えることで、Palmが音楽プレーヤーという炎を再び燃やすことができるかもしれない、という考えを振り払えないでいる。
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(翻訳:Mizoguchi)