ディレクトリ型検索サービスといって、今の若い人のどのくらいが分かるだろうか? 1996年4月に開始した「Yahoo!カテゴリ」が20年の時を経て、いよいよ最後の日を迎えることとなった。日本のヤフーは2018年3月29日をもってサービスを終了する。以下がInternet Archiveに保存されている1996年のYahoo!のトップ画面のイメージだ。
例えば「日本→都道府県→沖縄」と最上位階層から「ディレクトリ」をたどると、沖縄関連のページが120ほど出てくる。以下のような感じだ。そう、わずか120。インターネットは小さかったのだ。沖縄に不動産屋が1件しかない、ということではない。
1990年代前半にインターネットでWWW(World Wide Web:当初ウェブはそう呼ばれていた)が発明されて以来、ウェブページは爆発的に増え続けている。その初期に「だったら整理して電話帳みたいにすればいいじゃないか」と言って作られたのがディレクトリ型検索サービスの数々だ。1994年に設立された米Yahoo!が作った検索サービスは、瞬く間にデファクト・スタンダードとなった。日本でも1996年にサービスを開始。「エンターテインメント」「ビジネスと経済」などのカテゴリで、各種ページを分類していて、ユーザーは1つずつ階層をクリックして降りていくことで、例えばテレビ局のホームページにたどり着くことができた(いや、今でもできる)。
1996年に1万5000サイトの登録から開始した日本のYahoo!カテゴリは、今では約80万サイトの登録を数えるまでになっている。その後、人間による収集ではなく、クローラーと呼ばれるプログラムによるウェブページの収集をする「ロボット型検索エンジン」が登場(いまじゃロボット型とは言わないけどね)し、多くの検索エンジンがしのぎを削った。収集したページの関連性に関するアルゴリズムも様々なものが登場し、「被リンクが多いページは良いページ」というGoogleのページランクというアルゴリズムが他の検索エンジンを圧倒して現在にいたっている。
そんな歴史的なサービスの終了にあたって、ヤフーは発表文で、「今後もYahoo! JAPANでは、時代やニーズに合わせてさまざまなサービスを提供してまいります」とコメントしている。先日、米国のYahooのベライゾンによる買収完了で名実ともに米Yahooが消滅したとのニュースが流れたのと同じで、1つの時代に幕が降りたということを象徴するニュースだと思う。ヤフーさん、今までたくさんのウェブページをありがとう!