日本の京都で行われたInfinity Ventures Summit: そのピッチ大会に出場した12社をご紹介

日本のVC Infinity Venture Partnersが今週前半京都で、Infinity Ventures Summit Fall 2013(IVS)(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット2013年秋)というイベントを開催した。年二回行われるインターネット産業のためのイベントだ。

このイベントでは毎回、2日目(今日(日本時間12/4))に数時間をかけてスタートアップたちのピッチ大会“ローンチパッド”が行われるが、今回は12社がおよそ700名の来場者を前に自社プロダクトの紹介と売り込みを行った。

以下に、出場各社とそのサービスを簡単に紹介しよう。

優勝と準優勝4社

Capy [ENG/JP] (大賞受賞)

優勝したのはCapy、これは新種のCAPTCHAで、PCだけでなく携帯やタブレットでも使える。社名もCapy(合衆国企業)だが、ファウンダのMitsuo Okadaによると、今までのCAPTCHAは使いづらいだけでなく、ユーザの10%はギブアップして逃げてしまう。そこで彼が考案したソリューション(下図)は、文字を解読する従来のCAPTCHAと違って、ユーザが画面上で簡単なパズルを解く。Okadaによると、Capy方式のCAPTCHAは逃げる人が2%しかいない。Capyに関する詳しい記事がここにある。

NinjaPCR [ENG] (準優勝(1))

NinjaPCRはDNA増幅装置の名前で、この装置を使うとDNAのクローンを作るPCR(polymerase chain reaction)反応の費用を従来の90%まで節約できる。作者のShingo Hisakawaによると、そのハードウェアはオープンソースで価格は約1000ドル、今トライしている小型化に成功したら日本以外では来年発売する。この装置を駆動しコントロールし結果を出力するソフトウェアは、Google Chrome用のWebアプリケーションとして提供される。

planBCD [ENG/JP] (準優勝(2))

A/Bテストが簡単にできる(JavaScriptのコードを1行書くだけ)。安上がりなだけでなくマルチプラットホームであることが、planBCDの売りだ。提供する会社の社名は、東京のKAIZEN Platform Inc.で、このサービスの差別化要素の本命は、クラウドソースによるグロースハッカーたちがUIやUXの改善提案をユーザに提供してくれることだ。そのグロースハッカーたちのスキルによって料金が異なり、だいたい1000ドルから5000ドルまでぐらい。planBCDの詳細はこの記事にある。

flier [JP] (準優勝(3))

flierは忙しい日本人のために本を見つけてくれて、しかもその本の要約を提供してくれる。年会費250ドルを払うと、毎月20冊のよく売れてる本の要約をもらえる。それは、わずか10分で読めるそうだ。要約はプロの編集者が作り、それを出版社がチェックし、flierのユーザはいろんなデバイスからそれにアクセスできる。なお、個人だけでなく企業のための料金プランもある。来年は合衆国に進出して、同種サービスのマーケットリーダーgetAbstractに挑戦する。

Userdive [JP] (準優勝(4))

UserdiveはWebサイトの使われ方見られ方をPC、スマートフォン、およびタブレット関して調べ、サイト最適化の方向性を与える。ビジターのアクションはビデオに記録され、ユーザはダッシュボードからそれを見ることができる。マウスがどこでホバーしたか、クリックされたか、スクロールしたか、などのアクションだ。またスマートフォンでは、画面の方向(タテヨコ)の変更に関しても分かる。そしてそのビデオを見ると、言うまでもなく、UIやUXの弱点が分かるのだ。来年は、ネイティブアプリのチェックもできるようになる。

選外

以下は、入賞しなかったサービスの概要だ:

  • Recme [JP]は就活サービスの一種で、自分を撮ったビデオを求人企業に送る。合衆国のHire Vueに似ている(Recmeに関する英語の記事がここにある)。
  • Hairmo [JP]は、ヘアスタイリストに練習用のヘアモデルを紹介するiOSアプリ。そのアポイントのセットアップ費用は5ドルだ。
  • Virtual Cycling [JP]は、フィットネス用の静止自転車をもっと楽しく漕げるために、実際の路上走行、もしくは都市の上空の飛行を写したビデオを再生する。緩急等はペダルの速度に同期し、映像はクラウドから提供される。専用ハードウェアのお値段は40ドル、利用料を払う方式なら月額3ドルだ。詳しくは下のビデオを。

  • Eipontan [JP]は、Drecom製の言語学習用iOSアプリ。ソーシャルな要素とゲーム的な要素があり、同社のモバイル教育プラットホームSmacolo(スマコロ)上で使う。
  • Kodomo Mode [JP]は、子どもに安全なコンテンツ(悪質な広告やアプリ内購入や有害コンテンツのないもの)だけを見せたい親のためのAndroidアプリ。
  • Wonderport [JP]は、親がキャラクターになりきって幼児とコミュニケーションするスマートフォンアプリ(デモでは父親がかわいいサンタクロースの人形になっていた)。
  • vinclu [JP]は、GPSを利用するスマートフォン用アクセサリ(とそれ用のアプリ)で、距離的に離れている恋人同士などが光やそのほかのエフェクトを使ってコミュニケーションする。詳しくは下のビデオを。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


投稿者:

TechCrunch Japan

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