複雑な規制があり、またWeb対応フィーチャーフォンの人気が根強い日本の携帯市場は、海外企業にとって難攻不落だった。しかしAppleはついに、その市場のトップに登りつめることに成功した。Counterpoint Researchの調査報告が、そう告げている(出典: The Next Web)。
Appleは2012Q4に16%のシェアを獲得し、2012年全年では15%となった。これで初めて、通年ベースで第一位となり、6年続いたSharpの王座を奪った。2012年におけるSharpとFujitsuのシェアは、共に14%だった。この調査報告によると、Appleは2011Q4にもSharpを抜いているが、しかし2012年前半はSharpが首位に返り咲いていた。
同じくこの調査報告によると、Appleが首位に立ったのは2012年の11月からである。そして2012Q4には、同じく海外ブランドのSamsungとLGもシェアを伸ばした。そして日本の携帯史上初めて、海外ブランドの合計シェアが50%を超えた。
Appleのめざましい業績は、通信事業者SoftbankとKDDIによるところが大きい。この二社は、iPhoneを武器にトップ企業NTT DoCoMo(iPhoneを提供していない)と戦った。DoCoMoは新機種を続々出して敵の矢玉をかわそうと努めたが、しかし同社の社長によれば、Appleとの合意に達すればiPhoneも対応機種に加えたい、という。
Appleがトップになったことによって、この国の閉じた修道院のようなモバイル業界も変わるかもしれない、とCounterpoint Researchは調査報告のコメントで述べている。日本は開国以来、動植物においても、外来種が在来種を駆逐する例が少なくなかったのだ、と〔例: タンポポ〕。
日本のモバイル業界はかつて、その孤立性ゆえに、ガラパゴス島にたとえられた。そのデジタルセルラー技術はきわめて独特で、しかも世界のどの市場よりも進んでいたため、外国勢の参入はほとんど不可能と思われていた。Motorolaも、そしてNokiaも失敗した。しかしスマートフォンという新しい波が状況を変え、ついに日本市場は変化への道を歩み始めたと思われる。その方向性は、依然として未知ではあるが。