日本のWhillの、新しいタイプの電動車いすModel Mに、合衆国の食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)の認可が下(お)りた。これによりModel Mは、医師が医療器具として処方でき、保険の対象にもなる。
Whillはこれまで、日本の通信大手NTT DoCoMoのVC部門などから1285万ドルを調達している。同社は以前、Type-Aと呼ばれる移動装具を、FDAの認可を求めずに売っていた。
Whillの製品は車輪が特許を取得していて、全方向に正確な方向転換ができ、移動能力に優れ、凸凹道や斜面でも容易に操作できる。Model Mにはいくつかの新しい機能があり、中でも腕を支持する機能や、軽いハンドル、調節可能な背中の支持機能などは、医療器具として欠かせない。
協同ファウンダーでCEOのSatoshi Sugieは発表声明の中で、Whillを作ろうと思ったのは、障害者の友だちがこれまでの車いすで苦労しているのを見たからだ、と述べている。彼によると、FDAの認可が得られたことによりこれからはModel Mを、合衆国の680万人の移動装具ユーザーや医療の専門家たちに売っていける。
“Model MへのFDAの認可は、われわれのチームと、合衆国のヘルスケアシステムの中におけるわれわれの顧客の両方にとって、重要な節目だ。われわれは合衆国の医師たちと協力して、Model Mを患者にとって車いすの新しい現代的な選択肢として提供していきたい”。
同社のチームにはこれまでNissanやSony、Olympusなどにいた技術者やデザイナーがおり、彼らは自動車のデザインをヒントにして、もっと魅力的な電動車いすを作ろうとしている。彼らの目標は、移動装具を使用することに伴いがちなスティグマ(stigma, 恥・汚点の意識)をなくすことだ。Model Mの市場価格は、13995ドルだ。