Plen2は、机の上に置けるほど小さくてかわいい人型ロボットだ。Plen2は、踊ったり、小さい物を運んだりとちょっとした動きができる。各種のセンサーとつなげることで人の動きを真似することもできる。
また、このプロジェクトはオープンソースで、3Dプリンターから印刷することができる。少なくともプロトタイプを作成した日本企業の計画はそのようになっている。彼らは、ユーザー自身がロボットをカスタマイズすることで、ロボットに愛着を持ち、人と人型ロボットの間に良い関係性を築きたいと考えている。
このチームは、Plen2を市場に送り出すために、Kickstarterで資金を募っている 。そして、キャンペーンは43日を残して、目標金額である4万ドルを集めることに成功した。オープンソースのこのロボットを、プリントできる製品として世に送り出すための資金は整った。
499ドルを支援すると、Plen2を作成するために必要な3Dプリンタ用のデータと、各種電子部品(コントロール基盤、サーボモータとその他付属品)のキットが手に入る。699ドルで、自分で組み立てることができる全てのパーツが入ったキットが届く。799ドルでは、組み立て済みのPlen2が届く。どのキット、あるいはロボットを注文したかによって配送時期は、8月から11月の期間で異なるが、今年後半には出荷を始める予定だ。
Plenの製品開発を担当するNaohiro Hayaishiは、最初のPlenは2005年に開発したが、昨年から改良を加えていたと話す。Plen2は、さらに小さく、3Dプリンターを利用できる人は、オリジナルのパーツをプリントできるようにハードウェアをオープンソースにすることを決意した。ロボット作りにユーザーが参加することで、ロボットに親近感を持ってもらうためだ。
ロボットは教育のためのツールにもなります、とNaohiroは言った。彼らは、同時進行で多様なパートナーと提携し、Plen2を活用した教育プログラムの開発を行っている。しかし、社会的に影響を与えるという意味で、彼らの大きな目標は、ロボットテクノロジーをより人に寄り添うものにすることだ。「私たちの目標は、人間とテクノロジーを、自分でプリントして作れるオープンソースのロボットによって近づけることです」と彼らのKickstarterのキャンペーンには記されている。
クラウドファンディングで資金を集めることにしたのも、Plenが、ロボットを好意的に受け取る人にリーチし、テクノロジーに温かみを感じてもらうためだ。「ロボット作りの工程を多くの人に知ってもらい、参加してほしいのです。それが、オープンソースでプリントできるというコンセプトにこだわった理由でもあります」とNaohiroは言った。
「Plen2はPlen1と同様、スムーズに動くことができます。これは私たちにとって、とても重要なことです。ロボットは人を怖がらせてはいけないのです」と彼は続けた。
Plen2は素敵なアイディアだ。ロボットによる世界の終焉を描く話はたくさんあるが、これはそれとは相反する。これが日本のプロジェクトであることも偶然ではない。日本国内では介護機能を備えたロボットの必要性が認識されている。日本の通信大手のSoftBankも、人の感情を学習し、表現すると銘打つロボットの開発に力を入れている。
高齢化が進む日本社会では、ロボットとロボット工学を社会的に受け入れるようにする動きが見られる。Plenが「かわいい」ロボットなのも多くの人に親しみを持ってもらうためだ。
Plen2が市場に出るのに後は何が必要か。大量生産できるよう射出成形のデザインを手直しし、パーツが3Dプリンターで問題なく印刷できるように調整すること、とNaohiroは言った。Plen2をiOSとAndroidから操作できるようにするためのアプリも開発中だ。
Plen2は、一回の充電で20分から30分程度動くことができるそうだ。そのかわいいフォルムと機能もさることながら、制限されたバッテリーの持ち時間は、まだロボットが人間にとって脅威にならない証拠でもある。
少なくとも、自ら電源に戻って充電できるようになるまでは。
[原文へ]
(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ facebook)