⽇本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Network(旧Plasm)とShiden Networkの開発をリードするStake Technologiesは9月6日、Polkadot(ポルカドット)およびKusama(クサマ)におけるdAppハブとなることを目指し、約33億円規模の「Astar & Shiden エコシステムグロースファンド Ⅰ」を立ち上げたと発表した。
また同社は、日本マイクロソフトと協力し、Astar Network・Shiden Network上のプロジェクトや開発者に対して「Microsoft For Startups」を中心としたマーケティング、インフラ分野での幅広い支援を行うと明らかにした。
Polkadotは、異なるブロックチェーンを接続し相互運用性を提供するブロックチェーンプロジェクト。Kusamaはその実験的ネットワークという位置付けのもの。
Stake Technologiesは、PolkadotおよびKusamaに向けて、Ethereumバーチャルマシン(EVM)やWebAssembly、Layer2、著名ブロックチェーンとのブリッジ機能などをサポートするスマートコントラクトハブ「Astar Network」「 Shiden Network」を開発するコアチーム。2021年7月、Shiden NetworkはKusamaへの接続に成功し、8月30日にはトークンの移転が可能となった。
マルチチェーンスマートコントラクトハブとしての機能を強化するため、PolkadotおよびKusamaだけでなく、Ethereum、Binance Smart Chainなど著名ブロックチェーンもサポートするとしている。
Astar & Shiden エコシステムグロースファンドⅠ
Astar & Shiden エコシステムグロースファンドⅠは、インフラプロジェクトやアプリケーションプロジェクトへの経済的、技術的サポートを通してAstar NetworkとShiden Networkのエコシステムを拡大させるために立ち上げたという。
初期供給量の6%のSDNトークン(Shiden Networkのネイティブトークン)をこのファンドに用いて(執筆時点で約33億円相当)、2~3年かけてエコシステムを拡大、支援を行う(グロースファンドのアドレスはこちら)。以下ポイントに注力する予定としている。
- Buildersプログラム(開発者向けプログラム)参加者、参加プロジェクトへの経済的サポート:インフラ系プロジェクトや実績を出したプロジェクトへのGrant(助成金)、直接的なインベストメント、dApp Stakingを通したアプリケーションプロジェクトへの支援
- グロースサポート:ハッカソンの開催や、開発チャレンジ企画の実施、開発者向けイベントやキャンペーンの実施
- 取引所などとのキャンペーン
- プロジェクトへの投資やVCの紹介
- AstarとShidenの開発で蓄積した知識や経験の還元
Buildersプログラム(開発者向けプログラム)とは、経済的支援を受けながらプロダクト開発を行える「Astar & Shiden Builders Program」を指す。支援を希望する開発者に対して応募を呼びかけている。
またdApp Stakingは、Astar Network/Shiden Network上でサービスを展開するプロジェクトに対して、ベーシックインカムのように機能する独自の仕組みという。開発者は、Astar Network・Shiden Network向けプロダクトを開発することで、ブロック生成報酬の一部を獲得できる。
ハッカソンや開発者向けキャンペーンなどは後日公開としている。
日本マイクロソフトがAstar Network・Shiden Networkエコシステム構築を支援
日本マイクロソフトは、Aster Network・ShidenNetworkのエコシステム構築において「Microsoft For Startups」を中心としたマーケティング方面、インフラ分野で幅広く支援を行うことを表明した。
同社Azureなどのサービスやネットワークを活用し、グローバルで活躍する起業家、ブロックチェーンエンジニアを包括的に支援。ブロックチェーンのさらなる分散性を担保しつつ、Aster Network・Shiden Networkのエコシステムの一員として強力なサポート、エコシステム構築に協力するという。