ドイツのベルリンに本拠を置くto-doアプリのWunderlist〔日本語版サイト〕は有料・無料合わせて1300万近いユーザーを獲得している。今日(米国時間5/13)、Wunderlistは有用性を大いに高める新機能、つまりAPIを公開した。これによってWunderlistに登録された「予定」を他のアプリから利用したり、書き換えたりする機能が実現できる。また他のアプリ内にWunderlistの予定のリマインダーを表示することもできる。
この1月からAPIのテストに協力していた Sunrise、 Slack、 OneNote、 HipChat、 Zapier、 Scanbotが、API利用のパートナー・アプリの第一陣となっている。
WunderlistはAPIのリリースを3月に予告したが、実は開発スケジュールはだいぶ遅れが出ていた。2013年にSequoia(ベルリンのスタートアップに投資したのはこれが最初だった)がリードしたラウンドで1900万ドルを調達した際に、私は「もうすぐAPIが出る」という説明を聞いた。
しかしAPI開発の前にチームはアプリ本体を完全にリニューアルする必要に迫られた(彼らのto-doリストはさぞや長いものになったことだろう)。新アプリは2014年7月にWunderlist 3として公開された。
Wunderlistの開発元のスタートアップ、6Wunderkinderはこれまでに総額で2400万ドル弱を調達している。投資家はSequoiaの他にEarlybirdとAtomicoが加わっている。6Wunderkinderによれば、現在はさらなる資金調達の計画はないという(ただしいくつかの企業が買収に関心を示しているという)。
ある情報源は一歩進んで、「Microsoftが買収の最有力候補だ」と語った(APIパートナーのSunriseとOneNoteがMicrosoft傘下のアプリであるのは興味深い)。ただしWunderlistの広報担当者は私の取材に対してノーコメントだった。
M&Aの可能性は別にしても、高機能のAPIの実現は他のto-doアプリとの差別化に大いに貢献するだろう。
実際to-doアプリの数は多い。Zapier調べによれば、す 少なくとも40のto-doアプリが存在8するという。 Wunderlistは「この分野随一の急速な成長」を誇っているが、ライバルのAny.doにも1200万のユーザーがおり、その成長スピードはWunderlistに比べてさして劣らない。
Wunderlistによれば、現在インテグレーション・センターを開発中だという。これはSlackなどがすでに提供しているが、ユーザーが指定したアプリの内容をWunderlistに自動的にインポートする機能のようだ(Wunderlistも昨年10月にはDropboxを相手にサードパーティーとの連携を実現している)。
APIもサードパーティーとの連携機能も利用は一切無料となるが、将来はなんらかの収益化が行われるかもしれない。とくにビジネス向けの有料プランを舞台として収益化が行われる可能性が高い。現在Pro版は月額4.99ドルで提供されている。Business版は利用する企業の規模によって料金が決定される。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)