映像制作のイマジカがCVC開始、15億円のファンドでエンタメ領域中心に投資へ

子供向けアニメや実写映画、テレビ番組を制作するオー・エル・エム、「ALWAYS 三丁目の夕日」をはじめとする実写映画やTVCMを制作するロボットなど、映像コンテンツビジネスを手掛けてきたイマジカ・ロボット ホールディングス。そんな同社がCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)を通じてスタートアップ投資を始める。

同社の子会社でベンチャーキャピタル事業を展開するオー・エル・エム・ベンチャーズは3月16日、1号ファンドを組成。1次募集として約12億円の出資約束金額で運用を開始したことを明かした(最終的な出資金総額は15億円を予定する)。

昨今コンテンツ業界を取り巻く環境は大きく変化している。激変するエンタメ領域にて、メディアやコンテンツを中心にVR 、AR 、MRや、新たな動画関連ビジネスを手掛けるベンチャー企業との出資・連携を進めていく方針だ。

「視聴スタイルの変化を筆頭に映像コンテンツ業界の環境変化が進む中、グループを挙げて様々なチャレンジをしてきており、今回もその一環だ。我々が手掛ける作品に、ベンチャー企業の持つARやVR技術を活用して、VRアニメのような今までに無い視聴体験、映像表現が提供できればと考えている」(オー・エル・エム・ベンチャーズの代表取締役を務める横田秀和氏)

横田氏は富士銀行(現 : みずほ銀行)に入行後、ソフトバンクへ出向し「ソフトバンク・コンテンツファンド」の担当としてVC業務をスタート。2001年より富士銀キャピタル(現:みずほキャピタル)に入社し、インターネットやコンテンツ分野を中心に投資活動を続けてきたベテランのキャピタリストだ。

「20年に渡るキャピタリスト人生を踏まえ、今まで以上に起業家に寄り添う立ち位置で支援をしたいと考えゼロからファンドを立ち上げた」(横田氏)

スタートアップ支援の観点から、グループ会社以外の事業会社にLPとして入ってもらうことにも拘った。今回LPにはイマジカ・ロボット ホールディングスとオー・エル・エムに加えて、アドウェイズや小学館、ミクシィ、SMBCベンチャーキャピタルらが名を連ねる。今後も引き続き事業会社を中心にLPに入ってもらう予定だという。

投資するスタートアップは、アーリーステージ(シリーズA)を中心にする予定。ただしミドル・レイターステージの企業でも、グループのリソースを活用することで、さらなる成長支援ができる場合には出資を検討する。

コンテンツ分野は日本が強みを有していることもあり、出資先は国内企業がメイン。グループ会社やLPとの連携も重要視しつつも「(グループ以外の企業がファンドに出資しているため)シナジーありきではなくしっかりとパフォーマンスを意識して運営していく方針」(横田氏)だという。

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TechCrunch Japan

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