暗号通貨、2日で20%急落――踊り場か調整局面か注目

暗号通貨は調整局面に入ったのかもしれない。

過去数ヶ月、前例のない値上がりを続けてきた暗号通貨のほとんどすべてはこの48時間で2桁の値下がりに直撃された。coinmarketcap.comによる上の表をざっと眺めただけで、事態が深刻なのが分かる。最大の暗号通貨であるBitcoinはここ数日で16.5%ダウンした。Ethereumは23.5%のダウンだ。

土曜には1800億ドルだった時価総額が1420億ドルへと縮小し、暗号通貨市場全体がたった2日で20%の価値を失った。この急落は暗号通貨の時価総額の歴史にはっきりした傷跡を残すほど大きい。つまり簡単に忘れられような軽易な出来事ではない。

もちろんこれまでの経緯を見ておくことは必要だ。「暴落」したとはいえ、 Bitcoinの価値は4ヶ月前と比べてさえ2倍だ。しかし今回の値動きは暗号通貨への投資には並々ならぬ度胸がいることを改めて示した。

何ヶ月も暗号通貨の値動きを研究し、価格が2倍になったのを見て48時間前に大金を投資したとしよう。それが今や2割の損失を出している。愉快ではあるまい。アメリカの株式市場でいえば、20%の下落は数年分の利益に相当する。最近暗号通貨に投資したとすると、その額がこの週末で消し飛んだわけだ。

ではこの暴落が起きた原因は何だったのか? いくつか考えられる。

今朝(米国時間9/4)、中国政府は暗号通貨によるクラウドファンディングを「経済および金融の秩序を著しく乱す活動」と非難し、ICOを禁止した。政府の規制措置が実施されるたびにbitcoinその他の暗号通貨は打撃を被ってきたが、今回は特にアメリカのSEC〔証券取引委員会〕がICOの合法性に関して強い警告を発した直後だっただけに影響は一層深刻になったのだろう。

中国政府がすべてのICOについて調達した資金を投資家に返却するよう命じたことは有力暗号通貨であるBitcoinやEthereum自身の価格に対する不透明さを増すこととなった。つまりICOで購入されたトークンは再び通常の通貨に戻さねばならない。たとえば中国のICO/暗号通貨、NEO(以前のAntShares)はここ数日で50%も値下がりした。

暗号通貨の急落の原因としてもう一つの可能性は、要するに市場が過熱していたというものだ。急落はBitcoinが5000ドル弱という新高値をつけた時期に起きた。つまり自然の調整局面に入ったという考え方だ。Bitcoinの値動きを歴史的に追うと、急上昇の後に急降下することを繰り返している。通常の株式市場の値動きのパターンと同じだ。

向こう数日のうちに今回の下落が一時的な踊り場なのか本格的な調整局面に入ったことを意味するのかはっきりするはずだ。今のところ誰にも予測はできない。答えを出すのは市場だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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