サードパーティ製のインテリア家具を月額定額で利用できる「airRoom」。同サービスを運営するElalyは10月12日、サムライインキュベートおよび河合聡一郎氏、三木寛文氏、水谷寿美氏、安田直矢氏ら複数の個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額は非公開だが、数千万円規模の調達とみられる。
本日より正式リリースしたairRoomは、2018年7月にベータ版をリリースしている(当時のサービス名は「SmartRoom」)。合計20ほどのブランドが販売する500〜600品目の家具を月額定額で利用できるサービスだ。ユーザーはそれらの家具を月500円〜借りることができ、1ヶ月単位で自由に家具の入れ替えを行うことができる。高い料金のものでも、月5000円程度で家具を使うことができる。
airRoom代表取締役の大藪雅徳氏によれば、同サービスのメインターゲットは20〜30代前半の女性として設定しているという。「家具のECといえば、『Roomclip』がユーザーに一番認識されていると思うが、そのユーザーの約8割が女性だという。また、その年代の女性は部屋の模様替えにも積極的」(大藪氏)
“家具のサブスク化”を行う日本のスタートアップはElalyの他にもある。過去にTechCrunch Japanで紹介したところで言えば、KAMARQやCLASなどがその例だ。その背景には、サイズが大きい家具という商材を扱うブランドでは、売れ残った在庫が経営を圧迫しやすいというものがある。そういったブランドがairRoomなどのサービスを通して在庫を収益に変えるというニーズは一定数存在するわけだ。ユーザーにとっても、家具を引っ越しの度に移動したり必要がない、気にいるかどうか分からないので一度使ってみたいといったニーズがあることから、この種のサービスはここ数年で増えている。
では、airRoomは他社とどのように差別化を図るのだろうか。料金だけを考えると、各社最低月額500円〜と大差はない。大藪氏は、「airRoomのSKUは500〜600品目と同業他社のなかでもトップクラス。また、他社サービスでは家具を入れ替えるのに最低半年使用しなければならないなどの制約があることも多いが、airRoomでは1ヶ月単位でいつでも変更できる。もちろん、頻繁に家具の入れ替えをするユーザーが多ければ運送費が大きな負担となるが、実際には1ヶ月ごとに家具を入れ替えるユーザーはそう多くないとみている。家具のサブスクという市場全体を育てるためには、ユーザーにとっての使いやすさを最大限高める必要があると考えている」と話す。
また、20〜30代前半の女性とするairRoomでは、汎用性の高い家具を扱うのではなく、デザイン性の高い家具をラインナップに追加することに今後注力していくという。