1972年12月7日、アポロ17号のミッションはジーン・サーナン船長の指揮の下で実行された。その4日後、クルーは月面に着陸した。それはサーナンにとって3度目で最後の宇宙への旅だった ― そして、結果的に現在までにNASAが月面に人間を送った最後の計画となった。
政府組織であるNASAの型にはまった業務の中にありながらも、月面を歩いたわずか10人の中の一人になることに、サーナン氏は子供のような興奮を隠すことができなかった。
「アポロ17号のこの第一歩を、これまで支えてくれた人々全員に捧げます」と、着陸船を降りた船長が無線で言った。「何ということ! 信じられない!」
月面を離れるにあたっての彼の言葉は、さらに思慮に富み、われわれが宇宙計画に期待する深遠さをものがたるものだった。「当面は最後になるであろう月面での歩みを進めながら、私はアメリカの今日の挑戦が、人類の明日の運命を築いてきたことを記録に留めたい」
NASAの報道 によると、サーナン氏はテキサス州で今日(米国時間1/16)闘病の末に亡くなった。82歳だった。「ジーンの足跡は月に残り、彼の業績は私たちの心と記憶に刻み込まれている」、NASAが発表した声明の中でチャールズ・ボールデン長官が語った。
元海軍パイロットのサーナン氏はNASA在任中、月に2回渡航した3名のうちの一人となったほか、初めての月面着陸の、いわゆる「ドレスリハーサル」でアポロ10号にも塔乗した。サーナン氏は、あの痛ましいジェミニ9号計画の飛行士として、宇宙遊泳した2人目のアメリカ人でもあった。
再びサーナン氏の言葉を引用する:
私たちは挑戦の時代に真っ只中にいる。その挑戦にはチャンスがついてくる。空はもはや限界ではない。不可能という単語はもはやわれわれの語彙にはない。われわれはやると決心したことはどんなことでもできることを証明してきた。限界を決めるのは自己満足だけだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)