最新アメリカ記事まとめ―Microsoftの攻勢、ファウンダーが語ったGoogle、ベゾスは喧嘩上等

Microsoftはクラウド化に邁進

Microsoft、パートナー・カンファレンスでクラウド戦略を説明―「未来ではなく今の話だ」と強調

Microsoftは米国時間7/14にWindowsパートナーを集めたカンファレンスで「クラウド・サービスを利益と顧客を増加させる有力な手段だ。クラウドは未来の話ではない。現在の話だ」と述べた。ケビン・ターナーCOOは「MicrosoftはパソコンOSでこそ90%を握っているがモバイルを含めた全デバイスでのシェアはわずか14%だ」として、攻めの姿勢で努力しなければならないと力説した。

このカンファレンスでMicrosoftが述べたところによれば、サティヤ・ナデラがCEOに就任してから一段と精力的に進められているOffice 365などのクラウド化、サービス化は成功しているようだ。しかし「全デバイスでは14%」という数字が示しているとおり、モバイル分野で先行のiOSとAndroidに追いつくための特効薬はまだ見えていない。

Microsoft Office 365の小企業向けプランを改定、ますます安売り指向に

Microsoftはこのカンファレンスに先立ってOffice 365の料金をいっそう引き下げた。先月は無料クラウドストレージの容量を倍増して15GBに、Officeユーザは1TBにしている。

Googleのファウンダーが久々にGoogleを語る

ラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンがGoogleを語る―ヘルス分野は規制が重荷、手を広げすぎた方が実は効率的

表に出るのをあまり好まないGoogleのファウンダーたちだが、Khosla Venturesの例年のサミット・カンファレンスに登場してシリコンバレーを代表するベンチャーキャピタリストの一人、ヴィノド・コースラとリラックスした雰囲気で長時間対談した。

この中で「Googleはあまりにも多方面に手を広げすぎている」という批判に対してラリー・ペイジは、ユニークな見解を述べた。ペイジはスティーブ・ジョブズにも同じことを言われたとした上で、「密接に関連した問題の決定はCEOまで上がってくる。しかし自動走行車はサーゲイがすべて取り仕切っていて私は関与する必要がない。巨大な一つのプロジェクトより関連性のあまりないプロジェクト多数の方が管理コストが低いということに私は気づいた」と述べた。企業は自分の熟知している分野の周辺に業務を拡張しがちだが、それはかえって管理コストの増大を招くという。

自動走行車プロジェクトを担当するサーゲイ・ブリンは「アメリカの都市の面積のなんと3割から5割が駐車スペースだ。これは途方もない浪費だ。〔自動走行車が普及すれば〕車は必要なときに道ばたで呼び止めれば行きたいところへ連れて行ってくれるようになる」と遠大なビジョンを熱烈に語った。またブリンはヘルス・健康関連について「規制が煩瑣過ぎ、参入の障壁が高すぎる」とした。

この点については、Google、製薬大手のNovartisと提携―血糖値測定コンタクトレンズなどを5年以内に実用化へという動きの予告だったことが判明した。

またGoogleはChromecastとGoogleマップの機能強化も実施した。

ここ数日中にAndroidデバイスからChromecastに画面ミラーリングできるようになる

Googleマップがとうとう距離計測ツールをサポート

ジェフ・ベゾスの「喧嘩上等」と戦略

ジェフ・ベゾスの戦闘的な姿勢は創業以来少しも変わらないようだ。フランス系の世界的巨大出版社、アシェットとの交渉が難航するとベゾスはアシェット系出版物のAmazonでの近刊予約受付や割引販売を停止するという強硬手段に出た。世界最大の出版コングロマリットの一つであるアシェットも後に引かず、戦いは膠着状態に陥っている。

するとベゾスは、交渉が決着するまでの間、HachetteとAmazonは著者たちにeブック売上の100%を支払うという条件でAmazonはHachetteの取り扱いを従来どおりに戻す、という破天荒な提案を行った。もちろんこれはアシェットが同意するはずはないので「嫌がらせ」に近いが、この裏には「アシェットがいつまでも妥協しないのなら法外な好条件を提示してベストセラーの著者を引きぬくぞ」という脅しがあるのだろう。

一方でAmazonは親が知らない内に子どもが巨額のアプリ内購入をする問題で連邦取引委員会と争っている。Amazonは「ペアレンタル・コントロールについては十分な手立てを尽くした」として法廷闘争を辞さない構えだ。未成年者に対するアプリ内課金はAmazonに限らず問題を生じやすい分野だが、記事はAmazonの言い分に理があるという専門家の言葉を引用している。

アメリカの「ネット中立性」はどこへ?

ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)は一部の顧客を優遇してはならないというのがネットワーク中立性だが、FCC(アメリカ連邦通信委員会)は近く、ネット中立性を事実上廃止するような決定を行おうとしている。これに対して現在Googleを始めとするシリコンバレーのインターネット企業は強く反対している。

ISPに金を払えばインターネットの高速レーンを使える…新法(悪法?)に対し647000通の一般意見が集まる

Apple App Storeは早くも6年目

App AnnieのレポートによればApp Storeで現在公開されているアプリは125万2777種類で、6年間のダウンロードの総計は750億回、現在は毎月6万の新しいアプリがアップロードされているそうだ。昨年のAppStoreの売上は100億ドルを記録した。このレポートでは新参のデベロッパーがApp Storeでアプリを見つけてもらうことがさらに困難になっていることなどいくつかの重要なトレンドを詳しく紹介している。

ハッピー・バースデイ! 6年目のApp Storeのトレンドを探る

Android Wearウォッチ、そろりとスタート

スマートウォッチ戦争ではGoogleが先制した。Lardinois記者はこの使用レポートで「Google Nowみたいにユーザのことをよく知っているアプリを他社が作るのはたいへんだろう。だからiWatchがよっぽどすごい・すばらしい製品でもないかぎり、スマートウォッチの競争では、Google Nowのおかげで、Android Wearがかなり有利だろう」とAppleの苦戦を予想している。

長年腕時計嫌いだったぼくがAndroid Wearスマートウォッチを常用したくなった理由

滑川海彦 Facebook Google+


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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。