HTMLに1行のJavaScriptを書き加えるだけでサイトを多言語できるWOVN.ioについては、2014年6月のローンチ以来、何度かTechCrunch Japanでお伝えしてきたが、また新たに2つの施策を開始した。
1つはWeb制作会社やECプラットフォームなど、最終利用者をクライアントをして抱える事業者向けの「WOVN PARTNERS」。もう1つはWOVNをプラットフォームとしてオープン化する施策で、SEOライブラリのオープンソース化(Ruby、PHP、Java、C#、Goに対応)と、APIの提供だ。
もともと、サーバー設定の変更や画面遷移の設計などなしに、手軽にWebサイトを多言語化できるというのがWOVN.ioのウリだったが、そうは言っても自治体や小規模店舗などで直接自分でサイトの開発・運営をしているわけじゃないという場合も多いだろう。こうした層をクライアントとして持つWeb制作会社やECプラットフォーム(EC-CUBEやBASEなど)がWOVNを取り扱うことで、再販に似た形で多言語化サービスを提供できるようになる。具体的には、制作会社やプラットフォーマーには多数のクライアントを一括管理できる機能を用意し、さらにOEM提供という形でドメインやブランド名をパートナー企業のものとして提供できるようにするという。現在すでにLig、アラタナ、イーストといった企業がこの機能を導入したパートナー企業となっているそうだ。
APIをオープン化したことで、サポートされていないプログラミング言語でもWOVN.ioのシステム統合ができるようになる。また、モバイル用の多言語化SDKといった対応も可能だそうだ。
WOVN.ioは2014年のローンチ以来、現在登録事業者は約7000となっていて、月次売上成長は130%程度。WOVN.io運営のミニマル・テクノロジーズのメンバーは15名となり、その半数は外国籍、7割がエンジニアといったチーム構成だそうだ。2015年9月にはオプトベンチャーズ、ニッセイ・キャピタル1.3億円を資金調達している。
最近多いユースケースはアジアからの旅行者が事前にテーマパークのチケット予約をするようなケース。日本語でしか用意していない予約サイトを多言語化するのにWOVN.ioが利用されることが増えているそうだ。