これまで何年間も、Vimeoの強力な差別化要因は、単純にそのユーザ体験、そしてそれは主に同社のビデオプレーヤーに由来している。さまざまなアーチストたちや、表現にこだわるビデオ作家がYouTubeではなくVimeoをアップロード先に選ぶのは、それが理由の一端だ。
しかしそれでも、当のVimeo自身は、そのユーザ体験やビデオプレーヤーにまだ改良の余地がある、と考えていた。そしてビデオプレーヤーに関してはなんと、新たにゼロから再設計し、高速化、アクセス門戸の広さ(==デバイスやプラットホームの違いを不問)、そして美しさの実現に努めた。
Vimeoの新しいビデオプレーヤーは現時点では世界最速、ビデオのロードは一瞬で終わる。同社自身の従来のロード時間の、半分になっただけなんだけど。またユーザの指示等に対する反応も素早いし、HTML5がベース、したがって、ほとんど、どんなブラウザでも、プラグイン不要でビデオを再生できる。
上で述べたアクセス門戸の広さは、HTML5に因(よ)るところが大きい。今や、デスクトップでもモバイルでもタブレットでも単純にブラウザ上でOKだ。スクリーンリーダーやボイスオーバ(あとのせ音声)も旧版と互換性があり、ビデオの作者はクローズドキャプションや字幕の翻訳をつけられる。
Vimeoのプレーヤーは共有もやりやすい。メールで友だちに送れるし、ソーシャルネットワーク上に投稿したり埋め込んだりもできる。
そして、何といっても最大の新機能はプレーヤー内トランザクションだ。同社のVimeo On Demandサービスを使ってビデオを売ることが、とてもやりやすくなった。ビデオの作者はプレーヤーの中に、それを売る機能を加えられるのだ。
Vimeoは同社のオンデマンド機能の普及~大衆化にこのところ力を入れている。多くの人が進んで利用できるように、Vimeoは売上の10%しか取らない(どこかのように30%ではない)。またプレーヤー上で気楽に買えるようになったので、いわゆるコンバージョンレート(見る→買うへの変換の率)も高まるだろう。買うためにわざわざほかの場所に行かなくてもよいのだから。
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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))