条件に合うシェアオフィスやコワーキングを簡単に探せる「JUST FIT OFFICE」のβ版がローンチ

フリーランスや副業社員の増加、働き方改革によるテレワークの推進など、ここ数年でワークスタイルが一気に多様化している。

それに伴って変わりつつあるのが「オフィス」の概念だ。ビルやマンションの1室を借りる一般的な賃貸オフィスに限らず、シェアオフィスやコワーキングスペース、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなどオフィスの形もアップデートされてきた。

特に都内ではさまざまなシェアオフィスが登場。TechCrunch読者にはおなじみのWeWorkのように先進的な外資系企業が手がけるスペースから、三井不動産の「ワークスタイリング」を始めとする大手企業が展開するスペース、ブロックチェーン領域に特化した「HashHub」のように特徴的な打ち出し方をしているスペースまで幅広い。

ユーザーにとってオフィススペースの選択肢が増えることはいいことだけれど、数が増えるほど「自分に1番適している場所」を探す難易度も上がる。

本日4月15日にβ版がローンチされた「JUST FIT OFFICE」はまさにその課題を解決するためのサービス。人数やエリアを軸に複数のシェアオフィスやコワーキングスペースを検索し、同じ条件で比較できるのが特徴だ。

同じ条件で複数のスペースを簡単に検索・比較

JUST FIT OFFICEの使い方はシンプル。オフィスを探しているエリアと使用する人数、そして個室や専用デスクなどのスペースタイプを選択するだけ。そうすれば条件に該当するシェアオフィスやコワーキングスペースの一覧と地図が表示される。

特徴は初回支払額や1人あたりの賃料をするにチェックできること。社員数に応じて費用が自動で算出されることに加えて、「検討リスト」機能を使えば費用や広さなど、同じ軸で複数のスペースを比較できるため候補を絞り込みやすい。気になるスペースにはまとめて内覧の予約をすることができる。

現在掲載されているのは東京23区の中の14エリア内にある約40のスペース。運営会社や管理会社は無料で空いている部屋(もしくは今後空く部屋)・スペースを掲載でき、実際に内覧の申し込みが合った際に手数料を支払う仕組みだ。

検討リスト機能を使えば、同じ条件で複数のスペースを比較できる

正式版では一般の賃貸オフィスも含めて比較できるように

JUST FIT OFFICEのアイデアは、運営元のユースラッシュで代表取締役を務める内山裕規氏が自ら経験した“オフィス探しの手間”から生まれた。

取締役として携わっていたウェブクルーを離れた後、アーリーステージのベンチャーを経て2018年にユースラッシュを立ち上げた内山氏。自社オフィスとしてシェアオフィスやコワーキングスペースの活用も検討したが、サイトには部屋ごとの賃料や補償金の内容など肝心なことが記載されていないことも多かった。

結果的に欲しい情報を得るには現地で内覧をしなければならず「情報収集や整理に多くの時間と手間がかかった」という。

ユースラッシュ代表取締役の内山裕規氏

僕自身も数年前に都内でコワーキングスペースを半年ほど借りていた際、同じような経験をした。都内のコワーキングスペースの情報をまとめた個人ブログやオウンドメディアなどの情報を参考に目ぼしいスペースを探してみるのだけれど、情報がアップデートされていなくて現状の空席情報がわからなかったり、詳しい情報が公式サイトにすら記載がなかったりする。

結局1件1件問い合わせをして結構な時間がかかった覚えがあるから、必要な情報をオンラインで検索・比較でき、実際に内見したいと思える数件の最終候補まで簡単に絞り込めるサービスはニーズがありそうだ。

7月の公開を予定している正式版では、シェアオフィスなどに加えて一般の賃貸オフィスの情報も扱っていく計画。ユーザーにとってはより幅広い選択肢から最適なオフィスを選べるようになり、一方の運営会社はさらに多くの層にリーチできるチャンスが生まれる、そんなサービスを目指していくという。

なお正式版では掲載物件や施設を拡大するだけでなく、創業時や移転時に必要となるSaaSやオフィス関連ツール、資金調達や採用などの関連商材についてもサービス化を検討していくとのことだ。

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。