チャットボットは1-800(アメリカの法人の無料通話番号)に取って代わるかもしれない。Facebookはその時Messengerを使ってほしいと考えている。しかし、多くの企業はチャットボットを自社で制作するリソースも技術的なスキルもない。そこでFacebookは現在、開発者にチャットボットを制作するためのAPIツールやビジネスクライアント向けのLive Chatウェブプラグインを提供する計画を進めているという。これは複数の情報筋から得た情報で、Facebookが開発者と共有したリーク書類からも判明した。このツールは来週のFacebookのF8カンファレンスで発表されるという。
Facebookはすでに承認したマーケティングパートナーのディレクトリーを制作した。これで企業は彼らの事業の広告、コンテンツ、測定、コミュニティマネジメントのために技術的な部分をサポートする企業やサービスプロバイダーを探すことができる。しかし、Facebookはまだメッセージに特化してサポートするパートナーのディレクトリーやバッジでの区別などはしていない。
私たちが話した開発者によると、FacebookはまだこのMessengerプラットフォームのパートナープログラムに名前を付けたり、形式化したりしていないという。だが、企業にMessengerの開発者の紹介や公式なパートナープログラムは直に展開することが予想される。
現状分かっていることは、Facebookは2種類のB2B開発者と協力するということだ。この2つは重なる部分もある。これはMessengerが企業と潜在的なカスタマーがチャットで繋がるという構想の一部を担うものでこれは 昨年のF8で予告していた。
チャットボットのプロバイダーは、法人が潜在的なカスタマーから来たメッセージに対して自動で返信するシステムを構築するサポートを行う。自分たちで複雑なテクノロジーを開発したり、インターネット上で力を貸してもらえる人を探すのではなく、Facebookお墨付きの開発者を簡単に見つけることができるようになる。
TechCrunchは、Facebookが数名のMessengerチャットボット開発者に送付した資料を入手することができた。そこにはテキスト返信のチャットボットだけでなく「Structured Messages(構造化されたメッセージ)」と呼ばれる返信も可能になることを示していた。これにはタイトル、画像、詳細、URL、さらにウェブサイトへの遷移、Eコマースでの注文、レストランの予約といったコールトゥアクションを付けられる。
このStructured Message機能で、開発者はMessengerで基本的にはUberやKLMなどが提供している機能連携と同じようなシステムを構築することができるようになる。右にFacebookがチャットボット開発者と共有したプレゼン資料に基づいたモックアップを掲載した。これは、私たちが1月に伝えた開発者がボットを制作するためのFacebookの秘密のチャットSDKに基いている。
また、Facebookは「Message Us(メッセージから連絡)」スタイルのコンタクトボタンをウェブサイトに付けられるプラグインを制作するためにLive Chat開発者と協力している。これで、企業はカスタマーにメールや電話をするよう強要するのではなく、ユーザーは人間のサポート担当者とMessengerのチャットでやりとりすることができる。
Live Chatボタンをタップすると、ユーザーをモバイルのMessengerアプリやウェブのMessenger.comに誘導する。ユーザーは既読になったメッセージや「書き込み中、、」の印などを見ることができるが、それはFacebookのチャットSDKや各種APIとの連携の構築具合によって多少変わるだろう。
Facebookはコメントを差し控えた。 Marketing Landは、Facebookは発行元がMessenger経由でコンテンツを配信できるようにするとも伝えている。
現在、Facebookは開発者に対してサブスクリプション料やプラットフォームでメッセージを送信する毎の料金などは請求していない。しかし、Facebookはチャットボットやライブチャットのカスタマーサポートの部分で利益を得ることができるだろう。
Facebookの一つの選択肢は、チャットボットを運営する企業にコンバージョンを促すニュースフィード広告を販売することだ。昨年のTechCrunch Disruptでは、 Facebookの広告の重鎮であるAndrew 「Boz」Bosworthが「Click to Message(メッセージ送信はこちらをクリック)」に関する初期段階の説明をしていた。しかしそれは、チャットボットやチャットカスタマーサポートが重要視される前のことだ。
近い将来、タップするとMessengerのやり取りが始まり、チャットボットがユーザーに商品を販売する広告を企業が購入するようになるのが想像できる。人間の担当者がこのようなユーザーの要望に対応するにはコストがかかり過ぎる。だが、チャットボットでなら効率的にスケールさせることができ、Click to Message広告は購入に値するものになるだろう。
Facebookのもう一つの選択肢は、Messenger内に広告を入れることだ。2月にTechCrunchが入手したリーク資料によると、どうやらそれが計画のようだ。この資料は、Facebookのチームメンバーが自社プラットフォーム内の大手ブランドに送付したものだ。このプレゼン資料では、広告主はその企業とやりとりした経験のあるユーザーにだけマーケティングメッセージを送付することができるという。
このような計画を開始するのにあたり、この資料はFacebookが静かにMessengerのショートリンクをローンチしたと示している。これは、瞬時に対応する企業のMessengerのスレッドを開くものだ。この 「Messenger Links(メッセンジャーリンク)」は今朝、公式にローンチしている。もう一つの可能性としてFacbookは、ユーザーにメッセージでやりとりできる企業を提案している。このリストへに出稿するために企業から広告料を得ることもできるだろう。これは昨日Business Insiderが見つけたものだ。
Facebookは自分たちだけでチャットボットやチャットカスタマーサービスの革命を起こすことはできない。Facebookは広告やPageの発行の時にも企業を手伝ったのと同じように、開発者のエコシステムを育てなければならない。どんなニッチな領域でも対応できるようになるだろう。より多くのコミュニケーションがMessengerで行われるようになるほど、ユーザーはFacebookの関連アプリに留まることになる。
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