株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO」、運営元がラクーンなどから資金調達

CAMPFIREMakuakeを筆頭に盛り上がりを見せているクラウドファンディング市場。矢野経済研究所の調査によれば、2015年度の国内の市場規模は前年度比68.1%増の363億3400万円にまで拡大しているという。

国内のクラウドファンディングサービスといえば、購入型、寄付型、貸付型が一般的だったが、ここ数年で変化も起きている。米国で2012年4月に成立した新規事業活性化法(JOBS法)に続き、国内でも2015年5月に改正金融商品取引法が施行。新たに“株式投資型”のクラウドファンディングが解禁となり、未上場企業による1年間1億円未満の資金の募集がインターネット上で可能になった。

そんな環境の変化にいち早く目をつけ、ビジネスを展開しようとしているのが日本クラウドキャピタルだ。同社は、日本初(金融商品取引法における第一種少額電子募集取扱業者の登録が国内で初めて完了したという意味で)の株式投資型クラウドファンディングサービス「FUNDINNO(ファンディーノ)」を3月中にも開始する。サービス開始に先駆け、2月28日にはラクーン他2社を引受先とした第三者割当増資(金額は非公開)を実施したことを明らかにした。

投資家として中小・ベンチャー企業への投資が可能に

 

FUNDINNOはインターネットを通じて、非上場株式を発行する企業と日本中の投資家を結びつけるクラウドファンディングサービス。

投資家となるユーザーは気になった中小、ベンチャー企業に1人あたり1社50万円以下の金額を投資することができ、投資先企業の株主になれる。実際、株式上場をして株価が上昇した場合には、キャピタルゲインを得られたり、投資先企業が配当や株主優待をしている場合にはそれを受けとったりすることができる。一方、中小、ベンチャー企業は非上場株式を発行することで、日本中の投資家からインターネットを通じて少額ずつ資金を集められる。

日本クラウドキャピタルによると、FUNDINNOの立ち上げのきっかけは、代表取締役CEO柴原祐喜氏の米国への留学経験にあるという。同氏が米国に留学中、コーポレートファイナンスの勉強をする他、ベンチャーキャピタルでもインターンをしていて、米国では株式投資型のクラウドファンディングを通じて資金調達をするのが当たり前になっている。そんな状況を目の当たりにしたそうだ。

帰国後、「株式投資型のクラウドファンディングサービスを日本でも展開したい」と思っていたところ、タイミング良く改正金融商品取引法が施工。株式投資型クラウドファンディングサービスを立ち上げることにしたという。

まもなく第1号案件がスタートの予定

FUNDINNOの投資家として活動するには、サービスの登録(無料)を行い、審査を通過した人のみ気になる中小、ベンチャー企業に投資可能となっている。投資以降の仕組みは従来のクラウドファンディングサービスと変わりなく、期限内に募集金額を達成したら株式を得ることができ、失敗したら投資したお金は手元に戻ってくる。

ただし、デフォルトは過去3年でゼロ件という実績を持つソーシャルレンディングサービスとは異なり、あくまで“株式投資”型のサービスであるため、株式の価値が損失するといったリスクはあらかじめ認識しておく必要がある。

資金調達を考えている中小、ベンチャー企業は日本クラウドキャピタルのホームページから連絡。決算書、事業計画書、資金の使い道などの情報を提供し、厳正な審査を通過した企業のみが掲載されるそうだ。

投資家の募集自体は2016年12月から開始し、現時点で個人投資家を含め1600人から事前申込みがあるという。ちなみに募集ページはまだ存在していないが、日本クラウドキャピタルによれば、まもなく第1号案件がスタートする予定とのこと。

今回調達した資金は、FUNDINNOの広告に充て、認知度向上を狙っていくとしている。また、4〜5月に向けて投資家同士での交流ができる機能の実装を予定しているそうだ。

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TechCrunch Japan

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