機械学習とそれに関連したあらゆる”AI”は、この世のほぼ全ての問題に取り組むために使われているが、憂慮すべき勢いで続くミツバチの減少を阻止するための取り組みはまだ不足している。実際に、それは技術の素晴らしい応用であり、ミツバチと養蜂家たちが、その群れを健康に保つことを助けてくれるだろう。
私たちの大切なミツバチに対する最新の脅威はミツバチヘギイタダニである。これはミツバチの巣に住み着き、ミツバチと幼虫の両方の血を吸う寄生虫だ。それがハチを完全に殺してしまうことは多くないものの、ハチを弱らせ、幼虫も弱らせたり発育不全にしたりする可能性がある。時間が経つにつれて、コロニーの崩壊につながる可能性があるのだ。
困ったことに、注意深く観察しない限り、ダニを目にすることはできない。なにしろダニなのでとても小さいのだ。さしわたしせいぜい1ミリ程度のものである。このため、ダニの寄生は発見されないまましばらく進行することになる。
もちろん群れを心底気にかけている養蜂家たちは、このことを避けたい。しかしそのための解決策は、平たい板を巣箱の下に置き、それを2、3日おきに引き出して落ちている様々なゴミなどの中から、小さなダニの死体を見つけるといったやり方だった。それは骨の折れるそして時間のかかる仕事である、そしてもし少しばかり見逃してしまったならば、寄生状態が悪くなっているのではなく、改善していると考えてしまうかもしれない。
これを救うのが機械学習だ!
これまでに10億回ほど主張しているが、機械学習が本当に得意なのは、様々な小さな形状のもので覆われた表面の中から、目標となるもの(例えばミツバチヘギイタダニの死体)を選り分けることなのだ。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の学生たちがApiZoomという名の画像認識エージェントを作成した。これはダニの画像を使って訓練されており、写真からダニの死体を瞬時に選り分けることができる。養蜂家がする必要があるのは、定期的にスマートフォンで写真を撮り、それをEPFLのシステムにアップロードすることだけだ。
このプロジェクトは2017年に始まり、それ以来モデルは何万枚もの画像でトレーニングされ、約90パーセントの検出成功率を達成した。プロジェクトのAlain Bugnonが私に語ったところによれば、これはほぼ人間の成績に匹敵するそうだ。現在の計画は、できるだけ広くアプリを配布することだ。
「私たちは2つのフェーズを考えています。まずウェブソリューション、そしてスマートフォンソリューションです。これら2つのソリューションは、巣箱への寄生率を推定することを可能にしますが、もしアプリケーションが1つの地域で大規模に使用されている場合には」とBugnonは言う。「自動的に包括的なデータを収集することによって、地域や養蜂家の非定型的な習慣、さらにはミツバチヘギイタダニの変異の可能性についての新たな発見をすることも不可能ではありません」。
そのような体系的なデータ収集は、国家レベルでの寄生対策を立案するための、大きな助けとなるだろう。ApiZoomは、Bugnonによって、独立した会社としてスピンアウトしている。このことでソフトウェアを養蜂家たちになるべく早く届けられるようにしたいからだ。ミツバチたちも、やがて感謝することだろう。
画像クレジット: florintt / Getty Images
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(翻訳:sako)