Vertaの創業者でCEOのManasi Vartak(マナシ・バルタク)氏は、MITの大学院在籍時に、機械学習のモデルのバージョン履歴を追跡するオープンソースのデータベースプロジェクトであるModelDBを構想した。卒業後、彼女はそのビジョンをさらに拡張して、モデルのバージョンを追うだけでなく、それらを実際に使用できる方法を提供したいと考え、Vertaが誕生する。
米国時間8月25日、Vertaはステルスを脱し、Intel Capitalが率いるシリーズAのラウンドで1000万ドル(約10億6000万円)を調達した。参加したGeneral Catalystは、同社の170万ドル(約1億8000万円)のシードラウンドをリードしている。
バルタク氏はModelDBでモデルのバージョン履歴を提供するだけでなく、多くの企業にとって難しいことだった、データサイエンティストたちがこれらのモデルをプロダクション(本番使用)へデプロイするためのプラットフォームを作りたかった。さらに彼女はプロダクションであるからには、対象データが過去のものでなく、現在のデータを正確に反映していることも望んだ。
「Vertaはモデルが今でも有効か調べることができ、モデルのパフォーマンスが急に変化したら警告を出す」と同社は説明している。
バルタク氏によると、オープンソースのプロジェクトにしたため、会社を早期に投資家たちに売り込むことができ、多くの顧客を惹きつけるという期待感を彼らに持たせることができたという。「シードラウンドも、私が単独かつ初めて起業し、しかも学校を出たばかりの創業者として調達した。これは一般的な資金調達とはまったく違っていたが、それに関してもオープンソースのプロジェクトであることが有利に働いた」と彼女は語る。
確かに、今回のリード投資家であるIntel Capitalの副社長で専務取締役のMark Rostick(マーク・ロスティック)氏は、Vertaが機械学習のモデル制作における基本的な問題を解こうとしていることを理解していた。「Vertaは、企業がAIを採用するときに直面する重要な問題の1つに取り組んでいる。その問題とは、データサイエンティストとデベロッパーの間にあるギャップを橋渡しして、機械学習のモデルのデプロイメントを加速することだ」とロスティック氏はいう。
バルタク氏は、現在の初期的段階で何社の顧客がいるかなどについて語ろうとしなかったが、このプラットフォームを利用している企業はモデルのプロダクションへの移行をかなり速く行えると述べた。
現在、同社社員は9名だが、この早い段階から彼女はダイバーシティに真剣に取り組んでいる。社員構成はインド人4名、白人3名、ラテンアメリカ系1名、アジア系1名だ。すでにかなり多様である。今後、会社が成長していくときも、このような多様性を維持したいと彼女はいう。2020年はさらに15名を採用し、2021年は倍増を予定している。
バルタク氏は、ジェンダーに関しても半々であることを望んでいる。MITの学生時代は、さまざまなプロジェクトでそれを達成できたため、自分の会社でもそうしたいという。雇用の多様化のために、サードパーティであるSweat Equity Venturesの協力を求めている。
彼女によるとプラットフォームの構築は一気にではなく、いろんな機能を実験しながら段階的にやりたい、小さなチームのときからそうしたいという。現時点では、そんなやり方のためにさまざまな既存の機械学習ツールとの相互運用性を試している。例えばオープンソースの機械学習パイプラインツールであるAmazon SageMakerやKubeflowなどだ。
「顧客の成熟度のレベルに合った仕事をすることが重要だ。そこで最近の2つの四半期では、相互運用性のあるシステムの構築に力を入れてきた。それにより、まるでLogoのブロックのようにコンポーネントを選んで拾い上げ、エンドツーエンドまでシームレスに動くシステムを作れる」とバルタク氏は語った。
画像クレジット: Verta
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)