機種を問わない無人飛行ソフトを開発するスタートアップXwingが10億円超を調達

自律飛行のスタートアップであるXwing(エックス・ウィング)は5月20日、新型コロナウイルス(COVID-19)到来前に1000万ドル(約10億8000万円)の資金を調達したことを明らかにした。サンフランシスコに拠点を置く同社は、この資金を使って今年中のFAA(連邦航空局)認可待ちの商業化を目指してソフトウェアのエンジニア強化と事業拡大を進める。

今回完了したシリーズA調達ラウンドのリードインベスターは、R7 Partners(R7パートナーズ)。ほかにアーリーステージVCのAlven、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)、Thales Corporate Ventures(タレス・コーポレート・ベンチャーズ)が参加した。Xwingはすでに新たな資金とともに複数の主要幹部を雇っている。Terrafugia(テラフージア)の共同創業者で元COOのAnna Dietrich(アナ・ディトリッチ)氏、Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)、Aurora Flight Sciences出身のベテランで、最近ではUber(ウーバー)の自動運転車部門やZipline(ジップライン)の配達用ドローンのガイダンス・ナビゲーションと制御を指導していたEd Lim(エド・リム)氏だ。

Xwingは、最近出てきた他の自律飛行スタートアップとは少々違っている。この会社は無人のヘリコプターや飛行機を作っていない。作っているのは、小型旅客航空機のパイロットレス飛行を可能にするソフトウェア・スタックだ。

また、Xwingは航空機の種類に依存しない。同社のエンジニアは自律飛行に不可欠な機能である検知、推論、制御の技術に特化している。「さまざまな種類の航空機で動作するように作られたソフトウェア・スタックは、既存の航空機システムに組み込まれて使用される。既存の飛行機に付加するというこの戦略によって、製品展開を早めながら安全を維持しコストを抑えられる」と創業者でCEOのMarc Piette(マーク・ピエット)氏は語った。これは、規制当局の認可のためにも近道だ。

Xwingがいずれ自立型航空機をイチから作るつもりがあるかとの質問にピエット氏は「決められた機種に縛られず、テクノロジーを完成品としてではなく、成功への手段として開発することは、マーケティングの観点から見て効率的だ」と語る。

Xwingは前回の2018年夏の400万ドル(約4億3050万円)の調達ラウンド以来、技術開発を進めており無人航空機の飛行許可を得るためにFAAに働きかけてきた。ひとたび承認が得られれば、無人飛行の商業化を目指すつもりだ。

同社はまだ商業化のパートナーを明らかにしていない。またピエット氏は商業化戦略についても詳細を話していないが、今年はさらに発表があると言っていた。

XwingはヘリコプターメーカーのBell(ベル)と共同で、米国における無人飛行機の完成に必要なキー・テクノロジーの成熟を目的としてNASAが進めているプロジェクト、無人航空機システム(UAS in the NAS)プログラムに参加している。プログラムでは今年の夏にデモンストレーション飛行を行う計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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