母国の信用履歴利用を可能にする銀行取引プラットフォームZolveが15.8億円調達

毎年、何万人もの学生や専門家が高等教育や仕事のためにインドを離れる。新しい国では、何カ月も過ごした後であっても、その国の銀行からクレジットカードを取得するのに苦労したり、他のさまざまな金融サービスにアクセスするために割高な料金を支払うことになることもある。

米国やその他ほとんどの国の銀行は、申請者の信用を判断するために銀行所在国のクレジットスコアを使う。たとえばある個人がインドで優れたクレジットスコアを持っていたとしても、外国の銀行にとっては意味をなさない。

それは、配車サービス会社TaxiForSure(インド大手のOlaに売却された)の創業者であるRaghunandan G(ラグナンダン・G)氏が、旅行からインドに戻ったときに学んだことだった。何カ月にもわたる調査とチーム編成を経て、ラグナンダン氏は解決策を得たと考えている。

同氏は米国2月17日、インドから米国に(またはその逆に)移動する個人のための新しい銀行取引プラットフォームであるZolve(ゾルブ)を発表した。

Zolveは米国とインドの銀行と協力して、消費者がプレミアムを支払ったり保証金をせき立てたられたりすることがないよう、金融商品へのシームレスなアクセスをサポートする。

ラグナンダン氏はTechCrunchとのインタビューで、同社がリスクを引き受けていると述べた。これにより、海外の銀行はZolveの顧客にサービスを提供できるようになった。「消費者は当社のサポートで口座を開設することができ、母国の銀行と取引を行うようにすべての銀行サービスにアクセスできます」と同氏は語った。

発表の一環としてラグナンダン氏は、創業2カ月のZolveがAccelとLightspeedがリードしたシードラウンドで1500万ドル(約15億8000万円)を調達したと述べた。Blume Venturesの他、著名なエンジェル投資家が参加した。エンジェル投資家にはCredの創設者Kunal Shah(クナル・シャー)氏、Helionの元MDであるAshish Gupta(アシッシュ・グプタ)氏、TwitterとRippleへの投資で知られるGreg Kidd(グレッグ・キッド)氏、DST GlobalのマネージングパートナーRahul Mehta(ラフル・メータ)氏、Coatue CapitalのシニアマネージングディレクターRahul Kishore(ラフル・キショア)氏が含まれる。Founder Collective(AirtableとUberに投資している)も、同社への投資がインドのスタートアップへの初めての投資となった。

「複数の地域で金融のアイデンティティを持つ個人は、シームレスなグローバル金融ソリューションを必要としています。Zolveのチームが問題をしっかりと認識し、魅力的で革新的な金融体験を提供できると信じています」とLightspeed India PartnersのBejul Somaia(ベジュール・ソマイア)氏は声明で述べた。

ラグナンダン氏はZolveを始める前に配車サービス会社であるTaxiForSureを創業し、後にOlaに2億ドル(約210億円)で売却した(画像クレジット:Zolve)

ラグナンダン氏は、他の複数のスタートアップもこの課題を解決しようとしていると認めたが、他の企業は出身国の消費者の信用履歴を利用していないと述べた。「この問題をまったく別の観点から見ているのは私たちだけです。私たちは、消費者が課題に直面している外国で問題を解決しようとはしていません。消費者がすでに評判と信用履歴を持つ母国で解決策を見つけようとしています」と同氏は説明した。

顧客が新しい国でクレジットカードやその他の金融サービスにアクセスできるようになると、母国での信用履歴をすばやく拡張することができる。通常はそれに何年もかかると同氏はいう。

「地球市民のコミュニティは、金融サービスへのアクセスに関してほとんどサービスが提供されておらず、Zolveには大きな市場機会があると信じています。ラグナンダン氏には創業者としての確かな実績があり、彼の最新のベンチャーで再び彼と提携できることをうれしく思います。チームの情熱とコミットメントは称賛に値するものであり、Zolveがこのコミュニティーに多大な価値をもたらすと確信しています」とAccelのパートナーであるAnand Daniel(アナンド・ダニエル)氏は声明で述べた。

サンフランシスコとバンガロールに本社を置くZolveは、外国を訪れる予定がない人にも、さまざまな魅力的な機能を提供している。たとえば顧客はインドにいるときは、Zolveを利用して米国の証券取引所に上場している企業の株式を購入できる。ラグナンダン氏によると、Bitcoinやその他の仮想通貨を米国または欧州の証券取引所から購入することもできる。

すでに5000人以上の顧客を集めたこのスタートアップは、銀行パートナーと収益分配の取り決めを結んだ。ラグナンダン氏によると、Zolveは現在インドの顧客を受け入れており、米国の銀行パートナーから多額の収益を生み出しているため、すでに収益性の高いモデルで運営されている。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Zolveインド資金調達信用スコア

画像クレジット:Getty Images

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( 文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

投稿者:

TechCrunch Japan

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