水産物の品種改良とスマート養殖を手がけるリージョナルフィッシュは8月31日、シリーズAラウンドにおける第三者割当増資として総額4億3200円の資金調達を完了したと発表した。
主要引受先は、きょうと農林漁業成長支援ファンド投資事業有限責任組合、Beyond Next Ventures(既存)、宇部興産、三菱UFJキャピタル、中信ベンチャー・投資ファンド5号投資事業有限責任組合、イノベーションC投資事業有限責任組合。
今回調達した資金は、水産物の品種改良(対象品種の拡大+新規特性の付与)とスマート養殖の研究開発を進めるとともに、地元京都での品種改良済み品種の上市を目指す。
- 品種改良の対象品種および新規特性の拡大、効率的な品種改良技術の開発に向けた体制の充実
- スマート養殖(養殖水浄化や自動化など)の実現に向けた研究開発
- 京都での品種改良済み品種の量産および上市の体制構築
2019年4月設立のリージョナルフィッシュは、京都大学大学院農学研究科 木下政人助教、近畿大学水産研究所 家戸敬太郎教授らを創業者とし、京都大学・近畿大学などの技術シーズをコアとするスタートアップ。社名のリージョナルフィッシュ(地魚)は、各地域の環境にに合う魚を作り、地方創生に貢献したいとの思いからの命名という。
オープンイノベーションを通じた、短期間の品種改良とスマート養殖を組み合わせた次世代水産養殖システムを作り、「世界のタンパク質不足の解消」(SDGs 2番:飢餓をゼロに)、「日本の水産業再興および地域の産業創出」(SDGs 8番:働きがいも経済成長も)、「海洋汚染の防止」(SDGs 14番:海の豊かさを守ろう)を目指している。
従来は30年程度の時間がかかった水産物の品種改良において、アカデミアの超高速の品種改良技術を適用することにより、2年での品種改良に成功しているという。