激化する小売業向けロボティクス競争の中、Berkshire Greyが289億円を調達

ここ数年、ロボティクス業界で最も大きく、かつ最も資金を調達している分野が小売業、その中でも倉庫の管理、輸送などのインターネット接続を利用した特定市場だ。Berkshire Greyは、これまでほとんど表に出ていなかったが、2020年に入り相当な金額の資金調達をしたというニュースで一躍その名を轟かせた。

マサチューセッツ拠点の同社は、2億6300万ドル(約289億円)という巨額のシリーズBラウンドを1月21日に発表した。ラウンドをリードしたソフトバンクは最近、特にロボティクスへの関心が大きい。ほかにKhosla Ventures、New Enterprise AssociatesおよびCanaanも参加した。

Berkshire Greyは、金融持株会社のような社名ながら、高度なピックアンドプレースロボットを開発している。倉庫分野は特に得意としていて、Amazon RoboticsやFetchなどと競合している。他社と同様にBerkshireはこのロボットにより、高度な集中力を求められる作業の労働力不足を解消しつつ、eコマースの規模を70~80%増加させると主張している。

「当社の顧客は小売業、eコマース、流通業などの大手企業で、差別化要素の1つとしてBerkshire Greyを選んでいる」とファウンダー・CEOのTom Wagner(トム・ワグナー)氏がリリースで語っている。「当社のロボティックオートメーションによって、顧客はより早くより効率的なサプライチェーン運用が可能になり、現在の消費者要求にこたえることができる」

今回のラウンドは、Bossa Nova、Osaro Realtimeなどのロボティック企業が相次いで調達ラウンドを実施したほか、今週はじめにはSoft Roboticsが2300万ドル(約25億円)を調達したというニュースに続くものだ。Berkshireは、調達した資金を雇用の増加、買収、および海外販売の強化にあてると言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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