しばらく、Rosetta(ロゼッタ)について比喩的に考えてみよう。それは、初めて彗星に着陸した画期的な宇宙船だ。この軌道周回機はその最後の仕事を、今朝(米国時間9/30)早く実行し、最後まで制御されている状態で彗星の表面に激突して、自分を破壊した。そして、その最後の1分間に収集したデータが、きわめて貴重だった。
硬着陸で探査機のPhilae(フィラエ)を失ったが、リスクに満ちた、魅惑的な、そして大成功のミッションだった。彗星とのランデブーは、難しいけどすごいことだ。そして今日は、European Space Agency(欧州宇宙機関)のチームの12年に及ぶ労苦の、終わりだ。
多くのミッションがハードウェアの悲運で終わるが、その点ではRosettaも最初から、そのほかの多くの探測機や軌道周回機と変わらぬものとして計画された。今回のRosettaの場合は、最後の仕事が彗星の希薄な大気からガスと粉塵を採集することと、その表面の数百フィート上空から高精細の画像を撮ることだった(それまでは19キロ上空を軌道周回していた)。
最初の(記事タイトルの下の)写真が、最後の画像だ。そして上の画像は、探査機が永眠したあたりのモザイクだ。下のサウンドは、宇宙船オペレーションマネージャーのSylvain Lodiotによる、信号消滅の公式発表だ。
ESAのディレクターAlvaro Giménezが、ミッションの終了を告げるブログ記事でこう述べている: “数十年にわたる大規模な国際的努力によりわれわれは、世界的な科学研究所が彗星の経年進化を研究するという、そのほかの彗星追跡事業が試みなかったミッションを達成できた”。
“このミッションは人びとの一生のキャリアとなり、得られたデータは今後の数世代に及ぶ科学者たちを、向こう数十年にわたって多忙にするだろう”。
記事を書いてる当人が感傷的になってきたので、このへんにしよう。次のミッションもあるからね。