産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

産業用オープンソースハードウェアの企画・製造スタートアップ「ビズライト・テクノロジー」は9月23日、JVCケンウッドと共同開発したIoTエッジAIカメラ「BH3-AI-VISION」を発表した。10月下旬より発売する。

またJVCケンウッドは、同カメラを人間の五感機能をセンサーで補う「EXensors」(エクセンサーズ)シリーズの第1弾として展開し、総代理店として販売する。JVCケンウッドは、今後も多くのAIベンダーや関連ソリューションを持つ企業とパートナリングを創出し、事業への展開を目指すとしている。

BH3-AI-VISIONは、JVCケンウッドのプロ用・家庭用ビデオカメラやドライブレコーダー開発で培った映像光学技術と、オープンソースハードウエアを活用した産業用途展開で実績を持つビズライト・テクノロジーとの協業により開発。

同カメラは、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)ベースの汎用エッジボックス「BH3」のカメラ一体型モデルとなっており、PoE+に対応。単体またはアクセラレートデバイスを接続することで、エッジAIカメラシステムを構築できる。

小型・軽量ながら高精細な映像を記録できるほか、カメラ側でディープラーニングにおける推論処理のカスタマイズが可能。人数カウントや駐車場のナンバープレート確認、マーケティング用途などで活用できるという。また、すでにプロトタイプを活用した銀行の実店舗における振り込め詐欺を未然に防ぐソリューションの実証実験も2020年7月に開始している。

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

JVCケンウッドのEXensorsは、「外付けする追加機能」を意味する「EX」とデータを感知する「Sensor」の組み合わせによる造語。JVCケンウッドは、同カメラを核に各種エッジセンサー製品やIoTシステム製品と組み合わせることで、「外付けする追加機能」により人間の五感機能をサポートするエッジセンサー群として、工場での製品不良検品やアナログメーターの読み込みなど、膨大な映像・画像のデータ処理を必要とする様々な分野に展開していくという。

また、骨格推定エンジンをはじめ、顔認証・年齢推定などのAIエンジン・ソフトをエッジAIカメラに搭載することで、幅広いソリューションの提供が可能としている。

産業用オープンソースハードウェアのビズライト・テクノロジーがエッジAIカメラをJVCケンウッドと共同開発

関連記事
自動車、通信業界などが大きな関心を寄せるエッジAIの効率を高めるLatent AIの技術
Kneronが新たなエッジAIチップでグーグルやインテルに挑戦
ラズベリーパイ財団が8GBメモリー搭載のRaspberry Pi 4を発表
イスラエルのAIチップメーカーHailoがNECなどから約64億円調達
Raspberry Pi 3 Model B+が今年のPi Dayに間に合って登場、すべてに高規格で本格商用向け
IntelがMovidius Myriad Xを発表、ディープラーニング機能が組み込まれたコンピュータービジョンチップだ
NvidiaのJetson TX2でカメラやセンサーなどネットの末端デバイスが高度なAIを持つ

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。