痛くない乳がん用診断装置を開発のLily MedTechがアフラックCVCから資金調達

Lily MedTecは7月12日、アフラック・イノベーション・パートナーズ(アフラック・コーポレート・ベンチャーズ)からの資金調達を発表した。調達額が非公開。

Lily MedTecは、超音波を用いた乳房用画像診断装置の開発を手掛ける2016年5月設立のスタートアップ。東京大学医学系研究科・工学系研究科での研究技術を基に、リング型の超音波振動子を用いた乳房用画像診断装置「リングエコー」の開発を進めている。

乳がん検査としては専用のX線装置であるマンモグラフィが普及しているが、検査時に検査台に乳房を載せて上下と斜め横から挟む必要があるため、痛みを感じることが多い。また。X線を利用するため被爆のリスクもある。さらに、脂肪性、乳腺散在、不均一高濃度、高濃度など、脂肪や乳腺組織が多い、いわゆる高濃度乳房の場合は精度が落ちるという問題もある。

リングエコーは、X線ではなく超音波振動を利用するため被ばくリスクがないほか、乳房を圧迫する必要がないので痛みもないのが特徴だ。Lily MedTecによると、臨床試験によって装置の基本機能の有効性は確認できているとのこと。今回の資金調達によって、開発スピードを向上させ、量産化に向けた社内外の体制強化を進めていくとのことだ。

アフラック・イノベーション・パートナーズは、アフラック生命保険の親会社である米アフラック社が2019年2月に設立したCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)。米本社のCVCであるアフラック・コーポレート・ベンチャーズが持つ2億5000万ドル(約271億円)の資金を、インシュアテック(保険テック)やヘルステック、バイオテックなどの分野のアーリーからレイターまでのスタートアップへ投資している。

国内ではLily MedTecのほか、予防医療プラットフォーム開発のMRSO(マーソ)、管理栄養士監修のレシピ検索・献立作成サービスのおいしい健康、医療検索サイトMedica Noteなどへ出資済みだ。

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TechCrunch Japan

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