相続手続きのDXに取り組むAGE technologies(旧マーク・オン)は6月16日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資による2億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はDGベンチャーズ、カカクコム。
AGE technologiesが運営する「そうぞくドットコム不動産」では、相続で発生した自宅や土地などの不動産の名義変更手続きサービスを提供する。戸籍の取得、申請書の自動作成など、あらゆる手続きがオンラインで完結でき、また煩雑な相続手続きをネットで簡単に、相続手続きの負担ゼロを目指した新しいウェブサービスだ。2020年の正式リリース以降1年で、登記された不動産の数は5000件を超えており、利用者の平均年齢は58歳、30代〜70代まで幅広い世代が利用しているという。
一方、所有者不明の土地の問題は年々深刻化しており、その面積は日本全体の2割に上るとされる。また2021年4月の国会では、「相続登記を義務化する法案」が参院本会議で可決、成立した。このような社会的背景により、今後手続きの義務化に伴う需要拡大が予想できることから、AGE technologiesは今回の資金調達を機に、さらなるマーケティングの拡大、新規プロダクト開発への先行投資を強化するとしている。
さらに、デジタルガレージグループが持つ顧客基盤を軸に、ライフエンディング領域事業者との連携や、銀行や自治体など手続きの対応機関へ向けたサービスの提供、また共同事業の開発推進などを通じ、既存事業領域の拡充、周辺領域への事業拡大を加速する。
2018年3月設立のAGE technologiesは、AgeTech(エイジテック)を最大市場と捉え、まずは国内における課題が最も強い「相続」から取り組んでいる。長期では「高齢社会にテクノロジー革命を起こす」というミッションの実現のため、人生100年時代を支えるNo.1テックカンパニーを目指すとしている。
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