デューク大学、オハイオ州立大学、オークリッジ国立研究所の研究者たちが、新しい量子暗号における最大の問題点の1つを解決した。量子鍵配送(QKD:quantum key distribution)である。QKDとは、送信中に鍵を配送するプロセスである。誰かが盗聴している場合には、対話する両端に対してその事実を伝えることができる。レーザーを使用して複数のビットを同時に送信するこの新しいシステムは、将来量子コンピューターを安全に接続するために利用することができる。
オハイオ州立大学の物理学教授であるDaniel Gauthierは「近い将来、おそらく既存の暗号コードを破ることのできる量子コンピューターが、実用化されてしまう可能性が高まっています」と語った。「インターネットを安全に保つために利用できる新しい技術を、私たちは本当に真剣に考えなければならないのです」。
彼らの論文はここで入手できる。
現在の大部分のQKDシステムは、データを「毎秒数十から数百キロバイト」の速度で送っている。これはチャットや電話などを含むほとんどの用途には十分ではない。研究者たちは、送信される各光子のリリースタイミングと位相を調整することで、より多くの情報(1ビットではなく2ビット分のエンコード)を注入することに成功した。すなわち、キーを素早く安全に、そしてさらに重要なことに、高速の光ファイバケーブルで送信することができるということだ。
このシステムは検出器を除けば、市販の部品を使用するので、通常の電気通信事業者に利用できないものはない。
「単一光子検出器を除けば、必要な装置は既にすべて電気通信業界に存在しています。ある程度工夫すれば、トランスミッターとレシーバー全体をコンピューターのCPU程度の大きさの箱に入れることができるでしょう」とデューク大学院生のNurul Taimur Islamは語っている。
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(翻訳:Sako)