米上院議員が「データ保護局」新設を提案、米国人のデータを取り戻せ

民主党のKirsten Gillibrand(カーステン・ギリブランド)上院議員は、テック企業が自分の庭で行う自由な侵入行為から米国人を守るべく、新たな連邦政府機関を設立する法案を再提出した

ギリブランド議員(民主党・ニューヨーク州)は2020年、データ保護法を提案した。プライバシーおよび既存政府機関が十分に対応できないことがわかっているテック企業に関する法的措置を講じるための法案だ。

「米国はプライバシーとデータ保護のための新しいアプローチを必要としています。そして議会は、人命より利益を重んじる民間企業から米国人を守る有効な解決策を見つける努力をする義務があります」とジリブランド議員は言った。

改定された法案は「データ保護局」の新設を約束した主旨を維持しており、オハイオ州のSherrod Brown(シェロッド・ブラウン)民主党上院議員との共同提案で、いくつかの修正が加えられた。

現在進行中のあらゆるテック企業反トラスト規制を巡る議論の精神を受け、2021年バージョンの同法案は、大手テック企業によるデータ収集業者の関わる合併や、5万人以上のユーザーデータの移動をともなうその他の取引を審査する権限をデータ保護局に与えようとしている。

他に「データの正義を前進させる」公民権機関の設立や、アルゴリズム、バイオメトリック・データの利用、子どもなど立場の弱い人々からデータを収集するなどの高リスクなデータ利用行為を、同局が審査、処罰できる権利が追加されている。

ギリブランド議員は、最新技術に対応した規制改革を「極めて重要」と述べており、それは彼女だけではない。2021年に民主党と共和党はほとんど一致点を見つけていないが、数多くの超党派反トラスト法案は、テック業界で最強の諸企業を抑制することがいかに重要であり、さもなくば止めようがなくなることを、ようやく議会が認識したことを示している。

データ保護法は、一連の新テック法案のような超党派の支持を受けていないが、史上最高値のビッグテックとの戦いへの関心の高さから、多くの支持を得られる可能性がある。テック業界を標的にした法案が数多く進められ中、超党派の支持を増やすことなく本法案が前進することは考えにくいが、だからといってこの考えが考慮に値しないわけではない。

議会で検討中の他の提案と同じく、本法案はFTC(連邦取引委員会)がビッグテック企業の不品行に対して意味のある罰を与えていないことを認識している。ギリブランド議員の構想では、データ保護局はFTCにできなかった規制強化を実現できるという。別の法案では、FTCに新たな強制力を与えられたり、吠えるだけでなく噛み付くための資金を注入して強化しようとしている。

連邦政府機関の使える道具を現代風に変えるだけでは十分でないかもしれない。テック業界のデータ巨人たちが10年以上をかけて異常増殖させたものを削減するのは容易ではない。これらの会社をここまで裕福にした米国人データの備蓄は、すでに野に放なたれているのだからなおさらだ。

強力なテック企業の持つそのデータを規制する戦に特化した新たな政府機関は、欧州独自の強力なデータ保護法とこれまで米国に欠けていた連邦規制のギャップを埋めるかもしれない。しかし、何かが起きるまでは、シリコンバレーのデータ亡者たちが熱心にその権力の真空を埋めようとするだろう。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:プライバシーデータ保護アメリカ民主党独占禁止法

画像クレジット:Jaap Arriens / Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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