米国でケンタやマックが活用する位置情報データスタートアップのBluedotが約9.8億円を調達

ジオフェンスと位置情報データのスタートアップで、Dunkin’(ダンキンドーナツ)、ケンタッキーフライドチキン、マクドナルドなどに利用されているBluedotが、シリーズBで910万ドル(約9億8000万円)を調達したと発表した。

米国サンフランシスコに本社を置くBluedotは、自社の技術は競合のソリューションより精度が20倍高いと説明する。これはもともと、CEOのEmil Davityan(エミール・ダビティアン)氏が「車線レベル」の精度を必要とする有料道路の業界に関わっていたことによるものだ。

ダビティアン氏は筆者に対するメールで「それ以来、我々は位置情報ベースのソリューションを、小売店やレストランなどさまざまな業界に提供してきた。消費者のニーズとして優先順位の高い、価値のある非接触型のエクスペリエンスに取り組んでいる」と述べた。

同社はTempoという新しい製品をリリースして機能を増やしている。Tempoは、交通パターンなどのデータや車の乗り降りにかかる時間まで組み込んで、顧客が近づいてきたときにリアルタイムで通知するものだ。

パンデミックのため店先での受け取りやドライブスルーで接客する企業が増えている現在では、特に求められている機能だろう。顧客が店内に入ってくるにしても、おそらく接触を最小限にしたいはずだ。ちょっと気味が悪いように感じるかもしれないが、データは暗号化、匿名化されるとダビティアン氏は強調する。

「我々は個人データを収集しないし、位置情報データの追跡や共有、販売もしない。『プライバシーフレンドリー』であると主張することは簡単だが、それに集中し、ビジネスの基本とすることは本当に難しい」と同氏は述べる。

Bluedotによると、フットプリントは月間ユニークユーザー数で1年間に2,471%増加し、毎月1億2100万回の位置情報イベントを扱っているという。

同社はこれまでに2190万ドル(約23億5000万円)を調達した。今回の資金調達はAutotech Venturesが主導した。これまでに支援してきたTransurbanも参加し、新たにForefront Venture、IAG Firemark Ventures、Mighty Capitalも投資した。AutotechのAlexei Andreevm(アレクセイ・アンドレーエフ)氏がBluedotの取締役会に加わり、Mighty CapitalのJennifer Azapian(ジェニファー・アザピアン)氏がボードオブザーバーになった。

アンドレーエフ氏は声明で次のように述べている。「企業が接触を最小限にするためのソフトウェアは不可欠だ。今後、市場では非接触型のソリューションが好まれるようになると我々は見ており、Bluedotはその需要に応える態勢を整えている。特に誰もがモビリティとブランドの関わりを再考する現状では、消費者のエクスペリエンスとスケーラビリティを重視するBluedot独自のサービスは、あらゆる企業が今後成功する上で重要な要因だ」。

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画像:Amin Yusifov / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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