2019年上半期に広告主たちは米国のデジタル広告に579億ドル(約6兆2800億円)を費やした。Interactive Advertising Bureau(IAB、オンライン広告業界団体)にPwCが提供した最新のレポートで明らかになった。2018年上半期から17%の伸びで、上半期の額としては過去最高となった。
しかしPwCのDavid Silverman(デイビッド・シルバーマン)氏は、実際には昨年下半期に比べると「わずかに減少している」と指摘した。2009年以来成長を続けてきたが、今回初めて減に転じた。
シルバーマン氏はこの減少の要因の1つは、モバイルとソーシャルメディア広告の成長の鈍化であるとの考えを示した。もっとはっきり言うと、どちらの部門も対前年比では伸びている。モバイル広告は29%増の309億ドル(約3兆3500億円)、ソーシャルメディア広告は26%増の165億ドル(約1兆7900億円)だった。
しかし、「それらの部門は熟しつつあるようで、近年みられたようなレベルの成長はない」とシルバーマン氏は語った。
一方、IABの研究・分析担当の上級副社長Sue Hogan(スー・ホーガン)氏は2018年末から2019年初めにかけての減少は誤差の範囲と指摘している。実際、レポートでは両期間の支出額をいずれも579億ドルとした。
全体としてホーガン氏はどの部門も健全であり、注目すべきは36%増の95億ドル(約1兆300億円)となったビデオ広告の成長だと主張する。
レポートではまた売上高の集中度合いも取り上げていて、トップ10のデジタル広告企業の支出額を明らかにしている。具体的な企業名は挙げていないが(この分野を独占しているのはGoogleとFacebookだ)、過去10年間にわたり売上高の69%から77%をトップ10の企業で占めているとしている。
2019年第2四半期でもトップ10企業が売上高の大半を占め、その割合は76%にのぼった。一方で11〜25位の企業が占める割合は7%にすぎなかった。
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(翻訳:Mizoguchi)