米政府は、令状なしにメールが読めることに関して嘘をついていた

エドワード・スノーデン:「私はデスクの前に座ったまま、誰のメールでも見ることができた。あなたの会計士から連邦判事、いや大統領でさえ。その人の個人メールアドレスがわかれば」

マイク・ロジャース下院議員:「彼は嘘をついている・・・できると言っていたことは、彼には実行不可能だ」

どちらが正しくて、どちらが嘘をついているのか。最近Guardian紙でGlenn Greenwaldが暴いたところによると、政府はまたしても真実を曲げており、実際にはスノーデンが正しい。NSAのXKeyscoreという名前のプログラムは、スノーデンが詳しく説明し、ロジャース議院が否定した能力そのものを提供している。

政府によるNSAの能力の否定が偽りであったことは多数に上り、NSA公式コメントの権威は失われ、今や全くの誤りの領域に近づきつつある。

XKeyscoreを使ってNSAがあなたのメールを見る方法はこうだ。NSAのアナリストは、令状なしに、ただメールアドレスまたはIPアドレス、書面による「正当な理由」、および対象期間を提出する。それだけだ。もしこれが少々緩いと感じるなら、 あなたの内部反応は正常である(NSAがこのデータを収集および保管している方法はここにある)。

文書は、メールの「本文」も実は検索可能であることを指摘している。つまりNSAは、単にメールのメタデータを追跡するよりもはるか先を行っている。たしかにメタデータも検索可能だったが、それはNSAが実際に見つけてアクセスできるものの全てではなかった。

アナリストがXKeyscoreにメールを要求した後何が起きるのだろうか?Greenwaldはこう言う。「次にアナリストは、読みたいメールをNSAの読み取りソフトを使って開く」。文書によると、このソフトは米国を「通過」する通信、および米国で「終結」する会話を読むために使用する。問題の通信は海外が発信元であり、したがって憲法による保護に関係ないが、世界がこの弁解に納得するとは思えない。

おそらくこの中で最も恐ろしいのは、プライバシーと個人の権利の保護するために設定されたセキュリティー基準の滑稽さだ。下のメール要求に関する「正当化」の節にある。見つけられるだろうか。

2つの小さな入力フィールドを埋めるだけ。しかも一つは何とドロップダウンメニューだ。いったいNSAはアナリストにどんなオプションを親切にも提供しているのか興味深い。

上記の話は新しくて暴露的ではあるが、おそらくあまり驚きではないだろう。これが何をものがたっているかと言えば、われわれが以前から言っているデジタル・プライバシーは存在しないという発想は正しく、政府の上級幹部はこの国のデジタル監視能力を一貫して偽って伝えてきたということだ。

そしてこれは、決して良いことではない。

トップ画像提供:Andrew Malone

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi)


投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。