米空軍のスペースプレーン実験機が軌道周回飛行の記録更新

米空軍が発注し運用しているBoeing(ボーイング)のスペースプレーン実験機「X-37B」が、飛行時間の記録を更新した。今回のミッションは719日間続いていおり、Space.comによれば2017年に終了した前回のミッション期間を上回った。人工衛星は5年以上の寿命があるため全体をみれば新記録ではないが、再使用可能な宇宙船などに関する米国の技術実証を目的とした、秘密のベールに包まれた米空軍のスペースプレーンにとっては大きなマイルストーンだ。

SpaceX(スペースX)のFalcon 9ロケットで打ち上げられたX-37Bは、現在のミッションを2018年9月に開始した。ミッションの具体的な詳細は秘匿されているがが、明らかに宇宙での時間が増え続けており(ミッションのたびに期間が延長されている)、「地球に持ち帰り調査できる実験を行っている」とされている。これらのテストには誘導、ナビゲーション、サーマルプロテクション、高温材料と耐久性、飛行と推進システムなどに関連する技術が含まれている。

X-37Bに搭乗している乗組員はいないが、NASAのスペースシャトルのように、自律的に地球の大気圏を降下し、滑走路に水平着陸できる。

NASAは1999年にX-37のプログラムを開始した。これは2004年にDARPAとアメリカ空軍に移管され、X-37Bはこれまでに4回飛行している。これらの最初の4回のミッションで、2085日間の宇宙飛行を完了したことになる。

[原文]

(翻訳:塚本直樹 Twitter