紛失防止IoTタグ「MAMORIO(マモリオ)」を開発・販売するMAMORIO(以下MAMORIO社)は、東京地下鉄(以下東京メトロ)と協力し、忘れ物を自動通知するサービスの実証実験を6月19日から開始する。実験の対象となるのは、東京メトロ・飯田橋駅構内のお忘れ物総合取扱所と、銀座線渋谷駅、丸ノ内線池袋駅、有楽町線新木場駅の3駅。
MAMORIOは、世界最小クラスの紛失防止タグで、日本版Amazon Launchpadスタート時の出品プロダクトとして取り上げられた実績もある(6月14日時点、売れ筋ランキングでも1位となっている)。通常はBluetoothでスマホとペアリングして、スマホと、タグが付いている財布や鍵などの貴重品との距離が離れたときに、その時点での場所がMAMORIOアプリに通知される仕組みだが、実証実験では、お忘れ物総合取扱所と忘れ物の多い3駅の駅事務室に専用アンテナを設置し、タグが付いた忘れ物がその場所に届くと、ユーザーに位置情報が通知されるという。
2016年度、東京メトロでの忘れ物受領件数は1日あたりの平均で1835件。そのうち持ち主に返還できた割合は約29%だという。東京メトロでは、今回の実証実験で忘れ物の早期発見・引き渡しにつなげることを期待する、としている。
MAMORIO社では以前からさまざまな法人との実証実験を行っており、今回の実証実験は、3月に相鉄グループと共同で行った試験導入に続く、忘れ物の自動通知サービスとなる。MAMORIO代表取締役の増木大己氏は、2月に行われたTechCrunch Japanの取材に対し「(実証実験の)ユースケースの積み重ねを経て、新しいサービスや製品機能のニーズを複数の企業からいただいている」「各企業からのニーズに加え、(2月にMAMORIO社に出資した)メルコのアドバイスも得て新製品を提供したい」と話していた。