統合マーケプラットフォーム開発のフランスSendinblueが168.8億円を調達

近年、ビジネスの運用中心をインターネットにおく会社やブランドが増えるにつれて、そうした企業を支援するツールを開発する、スタートアップの成長が強く後押しされている。

その最新の動きとして、創業8年のフランスのスタートアップであるSeninblue(セニンブル)が、1億6000万ドル(約168億8000万円)の資金を調達した。同社は、中小の組織が行うすべてのマーケティング、例えばSMS、チャットを使った自動処理、Facebook広告、リターゲティングなどを一元管理できる統合プラットフォームを開発している。

Bridgepoint、Bpifrance、Blackrock、および既存投資家であるPartechが今回のラウンドに参加した。なおPartechは、2017年にSendinblueのシリーズAで3500万ドル(約36億9000万円)のラウンドをリードしている。

今回調達した資金は、昨年100%の成長を果たした北米でのプレゼンスを増強するほか、ツールの追加を続けるために使われる予定だ。具体的なツールの追加は、自社による開発ならびに、コーディネーターとして、小さなマーケティングテックスタートアップを買収することの両建て進める計画だ。同社はまた、中小企業のバックオフィス向けのCRMツールやその隣接領域を開発しているので、この先どのように進化していくかを予想しやすい。同社は利益率が高く、すでに約60カ国ほどで活動しており、約18万社の顧客がそのリストに載っている。

おそらく青天の霹靂(へきれき)と呼んでもいいような、これまで多くの人の目には留まっていなかったであろうスタートアップであるSendiblueへの巨額の資金提供。これこそがこの時代の象徴だ。

中小ビジネス、Eコマースに力を入れる小売業者やブランドなどは、長い間インターネットをマーケティングに使用してきたが、ソーシャルディスタンスを伴う最近の新型コロナウイルスの感染蔓延が、いかに多くの人たちが時間と資金をオンラインで利用しているのかを明らかにした。結果、企業がインターネットを使って顧客とやり取りをする機会を増やすこととなった。

「新型コロナウイルスタートの感染拡大によって私たちのビジネスは加速しました」と語るのはSendiblueの北米事業を担当するSteffen Schebesta(ステファン・シベスタ)氏だ。同氏ら、自身が創業したスタートアップのNewsletter2Goが、数年前にSendiblueに買収されたときに入社した人物。「多くの中小企業が生き残るにはデジタル化する必要があることに気づいています」と語る。

また、フランスのスタートアップが大きな成長を遂げていることも注目に値する。これは、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が着手した、国内により多くのユニコーンを生み出しそして投資することを目指す使命を果たし、同国の企業がどれほど拡大しているかを示すものだ。

Sendinblueの資金調達のニュースは、別のフランスのマーケティングテック企業であるSarbacane(サルバカン)に続くものだ。Sarbacaneは数週間前にやはり多額の資金を調達している。フランスといえばアドテックが有名だったが、マーケティングテックにも強いラインがあるようだ。

この分野ではさらに、Yotpo(ヨットポ)、Movable Ink(ムーバブル・インク)、Adverity(アドバリティ)などの多くのスタートアップが、今年多額のラウンドを達成してきたのを私たちは見てきた。

各社は、それ以上を受け入れる余地がどうやらあるようだ。シベスタ氏は、Sendinblueの典型的な顧客を、Mailchimpよりもさらに高機能で洗練されたツールを求めて「卒業」したい顧客だと表現した。Sendinblueの第一のゴールは「中小企業が使用できるツールの点で大企業と対等な立場になり、1つのプラットフォームですべての機能に手ごろな価格でアクセスできるようにすることです」と説明する。

同社が注力する中心は常に中小ビジネスだが、一方で、ルイヴィトン、キャンディの巨人ハリボー、富士通、アムネスティインターナショナル、グリーンピースなどの、多くの著名なハイエンド顧客も獲得している。

BridgepointのパートナーであるOlivier Nemsguernは声明のなかで「Sendinblueは、特に過去数か月のロックダウンで、ますます多くの中小ビジネスがデジタル化する中での成長市場に足をおろしている」と語る。「私たちは重要な市場のニーズを満たす投資先を求めています。Sendinblueは、インパクトのある企業の完璧な例です」。

Bpifranceの投資ディレクターであるLouis Molis(ルイ・ムリ)氏は「私たちがSendinblueに投資したのは、同社が中小ビジネス向けの革新的なソリューションを提供し、米国およびヨーロッパ市場で高い成長を達成した確かな実績があるためです。Sendinblueの価値はグローバルに拡張可能であり、統合マーケティングがより重要になるにつれて会社の重要性が増すことになるでしょう」と語る。

「Sendinblueはすぐに中小ビジネス向けの主要なデジタルマーケティングプラットフォームになりました」と語るのはPartechのゼネラルパートナーであるBruno Crémel(ブルーノ・クレメル)氏だ。「オールインワンプラットフォームの需要が高まる中で、Sendinblueには成功するための独自の力があるのです。Sendinblueが国際的な成長の、次の段階を加速していく中で、引き続きサポートできることをうれしく思います」と続けた。

画像クレジット:MirageC / Getty Images

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(翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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